97話 ページ49
ホークスside
珍しく関東圏の任務に出動命令が出されて東京に来ていた
朝から夜まで事件が耐えないこの街は夜になったのにも関わらず昼間のように明るい
次から次へと流れ込んでくる出動命令がやっと静かになって今日の仕事が無事終わった
東京に来る機会が少ないから散歩でもしようと空を飛んでいると遠くから俺の名前を呼ぶ声がした
声の先を見れば雄英高校の寮があった
ヒーロー志望の高校生なら遠くからでも俺を見つけることは容易に出来るのだろう
不思議な話ではないけど何となく興味が湧いて声の主が知りたくなった
雄英高校の寮の近くまで行くとベランダに一人の少女がいた
椅子に腰をかけて空に手を伸ばしていた
まるで星を掴みたがっているように見えた
今にも消えてしまいそうな儚い容姿をした少女に俺は見覚えがあった
「ツキアカリさんの娘か」
高校生の時 職場体験でお世話になったツキアカリさんの愛娘だ
事務所で何回か幼い頃の彼女を見かけたことがあった
もう高校生になってしまうだなんて子供の成長は早いもんだ
星を掴もうとしている彼女は空を飛びたがっているようにも見えた
「無断外出なんですけど」
「バレなきゃ大丈夫」
だから彼女を連れて空中散歩に出掛けた
腕の中にいる彼女はそれこそ初めは高さに驚いていたけど次第に慣れたようで眼下に広がる街を見ていた
彼女の漆黒の瞳に街の光が反射していて柄にもなく綺麗だと思った
「なんで私も空中散歩に誘ったの？」
不思議そうに俺を覗き込む彼女は本当に高校生なのかと思うほど大人びていた
「空を飛びたそうな目をしていたから」
「プロヒーローはなんでも分かるんだね」
俺の答えに驚いたようで元から大きな瞳をさらに見開いた
街の風景を見るのに飽きたのか次は俺の羽で遊び始めている
＿＿＿ 意外とマイペースなタイプの子だな
「私 空を飛びたいの」
俺の翼を羨ましそうに見つめて言った
まあ言われずとも分かってはいたけど｢そうなんだ｣と答えた
｢分かっていたくせに｣と呆れ笑いされてしまったけど彼女はまだ俺の羽を見つめている
「私も羽が欲しいなぁ」
「一枚あげようか？」
「そういうことじゃないよ」
彼女の笑顔はまるで作り物のようだった
完璧でミスのない綺麗な笑顔にほんの少しだけど違和感を抱いた
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ここね(プロフ) - めっちゃよくできてる話ですね！すごく感動するし、夢主ちゃん強くて好きです！笑 (2020年2月24日 1時) (
レス) id: 43fbbe1d59 (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - 黒武さん» すっかり忘れていました汗 ありがとうございます！頑張ります！ (2020年2月16日 16時) (レス) id: 6634cf480d (このIDを非表示/違反報告)
黒武(プロフ) - 続編あったのですね！前作とリンクは繋げないのですかっ サクサクと読めつつ主ちゃんの活躍が多いのが良いです！更新頑張ってください！ (2020年2月16日 15時) (レス) id: 6a52012404 (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - まんとひひ。さん» ありがとうございます！ (2020年2月16日 10時) (レス) id: 6634cf480d (このIDを非表示/違反報告)
まんとひひ。(プロフ) - ばぐさん» いえいえ！応援しております！ (2020年2月16日 10時) (レス) id: 102958615f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ばぐ
| 作成日時：2020年2月12日 21時
