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葛波が伏黒の元を離れてから形勢は加茂有利に転じてしまった

やはり彼女のサポートがないとかなり隙ができてしまうようでそこを狙われる

加茂のパワーは増す一方で攻撃を受けた呪具は破壊されてしまった

葛波から貰った呪符も既に使い切っている




「近接戦でここまで立ち回れる式神使いは貴重だよ
成長したね 嬉しいよ」

「さっきからちょいちょい出してくる仲間意識なんなんですか?」

共感(シンパシー)さ 君は御三家を支える人間になる」




加茂憲紀は表向きでは加茂家の嫡男だが実際は側室の息子である

正室が加茂家相伝の術式を持つ子供を産めなかったため術式を持っていた彼が嫡男として本家に迎え入れられた

本家の人間が彼の母親を「爛れた側室」と虐めたせいで彼女は彼が幼い頃に家を出た

故に加茂憲紀は伏黒や葛波に同族意識がある




「特にAは世代を背負っていく人間になるに違いない」

「…なんで葛波だけ名前呼びなんですか?」

「ふむ 何も聞いていないようだな」




葛波だけ呼び方が違う理由

それは伏黒の想像を遥かに上回った




「Aは加茂家が養子として引き取る
つまり私の妹になる予定だ」

「葛波が…?」




加茂が言うには姉妹校交流会での彼女の最終的な活躍を見て最終決定をするつもりだったらしい

しかし防御呪符を使用した地点で彼女の加茂家入りは確定

既に養子入りの手続きを始めている

そこに葛波本人の意思は関係ない

何故なら葛波の加茂家養子入り決定と同時に彼女の処刑取り消しが決定する予定だからだ




「私は虎杖悠仁を殺すつもりだ」

「…楽巌寺学長の指示ですか?」

「いや私個人の判断だ」




御三家である加茂家の人間として正しい判断だと思っている

加茂家嫡男として振る舞わなければならない

それは彼の母親のためでもある




「君らと私は同類だ」

「違います」

「……違くない」

「違います」




キッパリと言い切る伏黒

思わず加茂は言葉を飲み込んだ


伏黒は自分のことを正しいと思っていない

というより自分が正しいとか間違っているとかはどうでもいい

ただ伏黒は自分の良心を信じている

自分の良心に従って人を助ける




「それを否定されたらあとは呪い合うしかないですよね」




伏黒がそう言うと加茂の背後に弓矢が飛んだ

振り返るとそこに居たのは葛波

加茂が使っていた弓を手に持って言った





「これ借りますね 兄さん(・・・)




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raru58063503(プロフ) - このお話大好きで何回も読み返してます!! (2022年10月8日 23時) (レス) @page36 id: 95468c547b (このIDを非表示/違反報告)
ふーか(プロフ) - 伏黒とどうなっていくのか楽しみです!!引き込まれるようなお話でワクワクしました! (2022年2月6日 6時) (レス) id: 638dc06db7 (このIDを非表示/違反報告)
無量クーポン - ヤベェくそおもろい← (2022年1月20日 19時) (レス) @page17 id: f5549b5e83 (このIDを非表示/違反報告)
Sol(プロフ) - 何回も一気読みしました!!お話の続き楽しみにしてます (2022年1月8日 16時) (レス) @page35 id: 11f64c7a6d (このIDを非表示/違反報告)
小春日和 - この作品とても面白くて好きです。葛波ちゃんの誕生日がまさかの私と一緒で笑っちゃいました。 (2022年1月4日 11時) (レス) id: f0a1c41359 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ばぐ | 作成日時:2020年12月27日 17時

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