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学校に侵入し階段を駆け上る伏黒は女子生徒の悲鳴が聞こえた
もう部室を出たのだろうか
相変わらず気配が滅茶苦茶で掴みにくい
悲鳴の聞こえた方へ行こうとするも呪霊が現れて邪魔をする
この程度の呪霊に時間をかけていられない
「____玉犬」
影絵をする時のように手で犬の形をすると伏黒の足元の影から犬が現れた
白と黒の玉犬が一匹ずつ
「喰っていいぞ」と言うと二匹は呪霊を喰らいついて行った
呪霊が現れては祓って呪霊が現れては祓う
それを繰り返しながら進むと開けた廊下の曲がり角に見つけた
呪物を生徒丸ごとを取り込もうとしている
完全に取り込む寸前まで来ていて伏黒からの距離では間に合わない
(クソっ…!)
心の中で自分に悪態をついていると後ろから物音が聞こえた
勢いよく振り返ると昼間会った少女がいた
葛波といわれる少女で間違いないだろう
昼間とは違ってカメラは持っていない
その代わりに彼女の手元には呪符と見られる紙があった
葛波自体からは勿論のことながら呪符からも呪力を感じる
急に現れた彼女に伏黒は驚いた
電話越しに聞こえた怯えた声から想像していた様子とは違って覚悟を決めたような表情をしている
葛波は呪霊に向かって呪符を投げた
真っ直ぐ飛んでいった呪符はピタッと呪霊の顔面に貼り付いた
「____起爆」
鈴を転がしたような声が響く
それと同時に呪符が爆発した
器用にも生徒二人に外傷は与えていない
呪霊にだけダメージを与えており呪霊は苦しそうに悲鳴を上げた
伏黒は目を見開いた
先程と話が違うではないか
彼女は呪力があるだけの一般人だと考えていたのに蓋を開けてみたら術式も持っている
しかも呪符を使う特殊な術式
かなり使い慣れているようにも見えた
「おいオマエ!!」
伏黒が彼女に声をかけた瞬間窓ガラスが割れた
やってきたのは待つように指示を出していたはずの虎杖
虎杖は葛波の攻撃によって弱っていた呪霊から生徒二人を助け出した
そんな虎杖を見て葛波は安心したようで腰を抜かしてしまった
「あ!葛波生きてんじゃん!」
「…怖かったぁ」
「てかオマエ すげぇことしてなかった?」
「あー…うん……まぁちょっと」
床に座り込んだまま葛波は目を泳がせた
そんな葛波を怪訝そうな目で伏黒は見つめた
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プスメラ - 初めまして、この小説は恋愛小説ですか?できれば五条悟オチにしたいです。お願いいたします。続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年1月22日 9時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - ひかるんさん» ひかるん様コメントありがとうございます!拙い語彙力で伝えられたと思うと嬉しいです!これからもご愛読よろしくお願いいたします! (2020年12月26日 22時) (レス) id: a81a0b3a5c (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - 海宙さん» 海宙様コメントありがとうございます!有難い言葉本当に嬉しいです!あ…見つかっちゃいましたか笑 やはり趣味が合うようですね笑 (2020年12月26日 22時) (レス) id: a81a0b3a5c (このIDを非表示/違反報告)
ひかるん(プロフ) - 夢主の感情が伝わって泣いてしまいそうになりました。早く夢主に頼れる人ができるようになってほしいです。更新頑張ってください。 (2020年12月26日 22時) (レス) id: b91485c027 (このIDを非表示/違反報告)
海宙(プロフ) - 他者との距離感や会話の仕方、距離の詰め方まで完璧すぎです。本当に本当に大好きです!これからも無理の無い更新頑張ってください!どうでも良いことなんですがこの前他作者様の作品にコメントをしようとしたらばぐさんが先にコメントしていて思わず笑いました!笑笑 (2020年12月26日 21時) (レス) id: c037788408 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ばぐ | 作成日時:2020年12月11日 20時