戦力外通告【呪術廻戦】

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東堂の質問に首を傾げる葛波を他所に伏黒は質問回答を拒否した

初対面の相手と女性の趣味を話さなければいけない理由が理解できなかったからだ




｢ムッツリにはハードル高いわよ｣

｢もう少し答えやすい質問にしてくれないと伏黒だって困るよね｣

｢オマエらは黙ってろ ただでさえ意味分かんねー状況が余計ややこしくなる｣




フォローするどころか状況を更に悪化させる同級生2人に苛立つ伏黒

葛波は少しずつ慣れてきたようで釘崎の後ろから出てきた


東堂が言うには性癖にはその人の全てが反映されるらしい

女性の趣味がつまらない人はその人自身もつまらない

東堂はつまらない人間が嫌いだ

呪術高専は4年制度だが交流会に出られるのは3年生まで

つまり東堂は今年が最後の交流会になる




｢答えろ伏黒 どんな女がタイプだ｣




伏黒は考えた

釘崎は丸腰 葛波は恐らく呪符を持っているが肉弾戦できるほどの力はない

できるだけ揉め事は避けたい

答えるしかない状況の中でとある人が伏黒の頭に浮かんだ

誰よりも優しい芯のある人




｢別に好みとかありませんよ
その人に揺るがない人間性があればそれ以上は何も求めません｣

｢悪くない答えね｣

｢小説のワンフレーズみたい｣

｢うるせぇ｣




せっかく真剣に答えたというのにまたもや自由な発言をする同級生に苛立つ伏黒

禪院真依は伏黒の答えを聞いて嬉しそうに微笑んでいる

一方東堂は｢やっぱりか｣と残念そうに呟いた




｢退屈だよ伏黒｣




東堂がそう言った瞬間 伏黒は全身に例えがたい感覚を抱いた

ゾクッとした感覚に従って両腕で顔の前を防ぐも東堂の力強い殴りがやってきた

伏黒は勿論ながら彼の後ろ辺りに立っていた葛波も一緒に巻き込まれてかなり後ろまで吹き飛んでしまった

釘崎が2人の名前を叫ぶ声が聞こえた

受け身なしで吹き飛んだ葛波はモロ衝撃を全身で受け挙句の果てに伏黒までぶつかった

見事に葛波が下敷きとなったおかげで伏黒はまだ無傷だ




｢いったァァァァい…！｣

｢おい立て また来るぞ｣




葛波がゲホッと咳き込むと口端に血がついた

その割には大きな声も出せるようなのでそれほど心配はいらないだろう

それよりもズンズンとやってくる東堂に警戒しなければいけない

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