戦力外通告【呪術廻戦】

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五条は目の前でフルフルと震える頭を撫でた

恐る恐る顔を上げた葛波のスピネル瞳と目隠し越しに目が合う




｢分かったよ 好きにやりな｣

｢あ､ありがとうございます！｣




姉妹校交流会の参加を認めると葛波は嬉しそうに飛び跳ねた

禪院が葛波の肩に手を回すと釘崎も彼女に抱きついた

年相応に笑う3人を見て穏やかな気持ちになるが一抹の不安が五条の脳内を過ぎった


京都姉妹校交流会でやってくる生徒の中に葛波家の宗家である加茂家の次期当主がいる

比較的落ち着いていて攻撃的なタイプではないが決して温厚なわけでもない

裏切り者の葛波家である彼女にどう接してくるのかが少し心配だった




｢ちゃんと強くなってね｣

｢は､はい！｣

｢よろしい それじゃあ僕は失礼するよ｣




そう言うとフリフリと手を振って五条は校舎に戻って行った


五条が去って再び稽古が再開した

釘崎とパンダは次は追いかけっこを始めた

もう何が何だかよく分からない状況だ


一方 狗巻と禪院は葛波手製の呪符を見ている

｢これが一般呪符でこっちが惺戒呪符｣と言ってポケットから次々と呪符を取り出す葛波

禪院は興味深そうに1枚の呪符を取って空にかざした

ただの紙切れなのにしっかり仕事をすると思うと感慨深い

ましてや弱いですと言わんばかりの彼女が作っているのは思えない




｢Aが使うと威力が増すんだろ？｣

｢はい｣

｢やってみろよ｣

｢こんぶ！｣




嬉々とした表情で先輩2人に見つめられた葛波は渋々呪符を手に取った

丁度いい所に1本の木が立っている

その木に向かって呪符を投げた

ヒュンッと風を切る速さで飛んで行った呪符は木の幹に張り付いた




｢＿＿＿＿起爆｣




葛波がそう言うと同時に爆発音がグラウンドに響いた

事情を知らないパンダと釘崎はとても驚いて転んでしまった

呪符が貼られた木は見事に爆発によって折れてしまい可哀想な様子になっている

無機物にすればよかったなと葛波は今更ながら後悔した




｢今の音なんですか？葛波の呪符？｣




そんなグラウンドに伏黒が戻ってきた

稽古開始と共にどこかへ出かけていった伏黒はいつの間にかジャージに着替えている

｢そうだよ｣と葛波が答えると伏黒は納得したような表情をした




｢おっせえよ恵 何してた｣

｢何でもいいでしょ｣




任務先で救えなかった一般人の遺族に会いに行っていただなんて言えるはずもない

伏黒は有耶無耶に誤魔化した

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