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杉沢病院ナースセンターにて書類に記入をする少年が一人
先程唯一の保護者であった祖父が亡くなってしまった
初めての経験でどうしたらいいか分からないがいつまでもメソメソしているわけにはいかない
心配する看護師の言葉に彼は｢あとは笑ってこんがりと焼きます｣と言った
苦笑する看護師を他所に書類から視線を戻してボールペンを離した
｢虎杖悠仁だな｣
そんな虎杖に声を掛けた少年が一人
祖父が亡くなったばかりの彼を気遣うような態度は一切ない
呪術高専の伏黒と名乗った彼は喪中だというのに淡々と話を進めた
彼が言うには虎杖が所持していると思われる特級呪物を返してほしいとのこと
｢じゅぶつ…？｣と首を傾げる虎杖に伏黒は写真を見せた
担任から送られてきた特級呪物の資料だ
｢俺は別にいいんだけどさ先輩らと友達が気に入ってるんだよね
理由くらい説明してくれないと｣
伏黒は数秒黙ったのち説明を始めた
日本国内での怪死者･行方不明者は年平均1万人を超える
その殆どが人間から流れ出た負の感情
“呪い”による被害
特に学校や病院といった多勢の思い出に残る場所には呪いが吹き溜まりやすい
辛酸･後悔･恥辱 人間の記憶を反芻する度その感情は受け皿となる
そのため学校には大抵“魔除け”の呪物が置いてあり虎杖が拾ったそれもまさにそのひとつ
魔除けというと聞こえはいいがそう簡単なものではない
より邪悪な呪物を置くことで他の呪いを寄せ付けないようにしている
毒で毒を制す悪習だ
現に長い年月が経ち封印が緩んで呪いが転じ今や呪いを呼び寄せ肥えさせる餌
その中でも杉沢第三高校に置かれたのは特級に分類される危険度の高いもの
｢人死が出ないうちに渡せ｣
｢いやだから俺は別にいいんだって｣
若干苛立ったような伏黒に虎杖は特級呪物を投げ渡した
｢先輩に言えよ｣という虎杖の言葉を聞き流しながら呪物の確認をした伏黒は目を見開いた
中には何も入っていないただの空き箱
伏黒が追っていたのは箱にこびりついた呪力の残穢だったというわけだ
｢中身は！？｣
｢だァから先輩が持ってるって！｣
｢ソイツの家は！？｣
｢知らねぇよ確か泉区の方……｣
言葉の途中に黙り込んだ虎杖に｢なんだ｣と問いかけた伏黒は再び驚いた
あろうことか虎杖の先輩らは今夜学校で呪物の札を剥がそうとしているらしい
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プスメラ - 初めまして、この小説は恋愛小説ですか？できれば五条悟オチにしたいです。お願いいたします。続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年1月22日 9時) (
レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - ひかるんさん» ひかるん様コメントありがとうございます！拙い語彙力で伝えられたと思うと嬉しいです！これからもご愛読よろしくお願いいたします！ (2020年12月26日 22時) (レス) id: a81a0b3a5c (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - 海宙さん» 海宙様コメントありがとうございます！有難い言葉本当に嬉しいです！あ…見つかっちゃいましたか笑 やはり趣味が合うようですね笑 (2020年12月26日 22時) (レス) id: a81a0b3a5c (このIDを非表示/違反報告)
ひかるん(プロフ) - 夢主の感情が伝わって泣いてしまいそうになりました。早く夢主に頼れる人ができるようになってほしいです。更新頑張ってください。 (2020年12月26日 22時) (レス) id: b91485c027 (このIDを非表示/違反報告)
海宙(プロフ) - 他者との距離感や会話の仕方、距離の詰め方まで完璧すぎです。本当に本当に大好きです！これからも無理の無い更新頑張ってください！どうでも良いことなんですがこの前他作者様の作品にコメントをしようとしたらばぐさんが先にコメントしていて思わず笑いました！笑笑 (2020年12月26日 21時) (レス) id: c037788408 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ばぐ
| 作成日時：2020年12月11日 20時
