戦力外通告【呪術廻戦】

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3人の間に夏の風が通り抜ける

季節なんてお構い無しの制服は通気性が悪くこの時期に向いていない

｢夏服はまだかしら｣と呟く釘崎の言葉に耳を傾けながら葛波は抱え込んだ膝に額を当てた




｢なんだ いつにも増して辛気臭いな
お通夜かよ｣




そんな彼らの前に女子生徒が現れた

黒髪のポニーテールに眼鏡が特徴的な彼女を見て伏黒は｢禪院先輩｣と呟いた

釘崎と葛波は伏黒と彼女を交互に見比べるも全く状況が理解できない

｢私を苗字で呼ぶんじゃ…｣と言おうとした禪院の言葉を遮るように彼女の後ろから声が聞こえた




｢真希真希！まじで死んでるんですよ
昨日！1年坊が1人！｣

｢おかか！！｣

｢は･や･く･い･え･や｣




禪院に続いて現れたのはパンダと首襟で口元を隠した少年

禪院はパンダの言葉を聞いて冷や汗を流した

まさか本当に仲間が死んでいると思わなかったのだろう




｢これじゃ私が血も涙もねえ鬼みてぇだろ！｣

｢実際そんな感じだぞ！？｣

｢ツナマヨ｣




登場早々ギャーギャーと騒ぐ3人(？)を伏黒たちは冷めた目で見つめた

｢なにあの人(？)たち｣と釘崎が尋ねると伏黒は説明を始めた

呪術高専2年 禪院真希
呪具の扱いなら学生1

呪術高専2年 狗巻棘
呪言師 語彙がおにぎりの具しかない

呪術高専2年 パンダ

あと1人 乙骨という唯一手放しで尊敬できる人がいるようだが現在海外にいるらしい




｢…上野から脱走した？｣

｢パンダをパンダで済ませるつもりか｣




説明になっていない伏黒の説明

葛波と釘崎はパンダに困惑した

両手を合わせて｢許して｣と意外にも人間らしい常識を弁えた発言をするパンダに驚きながらも話を聞く

やはり見慣れないものは見慣れない




｢いやー喪中にスマンな だがオマエ達に京都姉妹校交流会に出てほしくてな｣

｢京都姉妹校交流会ぃ？｣




階段から立ち上がってスカートを払いながら釘崎は尋ねた

葛波の頭の中には京都の有名菓子である八つ橋が浮かんだ


京都姉妹校交流会とは京都にあるもう1校の高専との交流会

基本的に2,3年生がメインのイベント

しかしその3年が停学中のため人数が足りず3人に声を掛けたのだ




｢交流会って何するの？スマブラ？｣

｢なら3人でやるわ｣

｢シンプルにサッカーとか？｣

｢人数足りないにも程があるだろ｣




釘崎と葛波にツッコミを入れるパンダ

完全に立場が逆転しているこの光景に伏黒は呆れたように溜息をついた

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