検索窓
今日:9 hit、昨日:31 hit、合計:1,053,712 hit

ページ18







「何しに来た」




夜蛾は少ない言葉で尋ねた

どういう意味なのか分からない

葛波は必死に思考を巡らせた




「呪術高専に何のためにやってきた」




答えられない葛波に言葉を足して夜蛾は再び質問を投げかけた

ようやく葛波は理解できたようで顎に手を当てて少し悩む仕草をした

何故ここにやってきたのかなんて自分でもよく分かっていない

気が付いたら色々な面倒事に巻き込まれ…

いや自分が面倒事の中心にいた




「死にたくないからです」




理由は何か

そう尋ねられたら答えはひとつしかない

死にたくないからだ

それ以上でも以下でもない

夜蛾は葛波の答えを聞いて溜息をついた





「君は両親が呪詛師だと知っているな?」

「はい 昨日知りました」

「それでも死にたくないと思うのか?
両親のせいで君の親戚は皆死んでしまったというのにか」




夜蛾の言葉に葛波は顔を顰めた

この人は一体どの立場から物を言っているのだろうかと心底腹が立った

けれども彼が言っていることは正しい

自分の親戚は両親の罪を被って死んでいった

自分の発言は無責任なのかもしれない





「そんなことどうでもいいです
両親が呪詛師であろうと親戚が全員処刑されても私の今後には関係ありません」

「つまり自分に責任は一切ないと?」

「はい」





しかし自分が責任を感じるべきことではない

葛波はそう考えていた

親戚だなんて言っても顔も名前も知らない人達の死を悲しむほどできた人間じゃない

ましてや両親が呪詛師であろうと葛波にとっては唯一の存在だったことに変わりはない


だからと言って決して無責任で生きていこうというわけではない

逆に言えば自分がしたことには最期まで責任を取ると宣言できる

自分の物差しで生きていく

それが葛波の意志だった


先程までの弱々しい表情はどこへやら

自分の意志を持ち述べる葛波に夜蛾は光る何かを感じた

やはり彼女は葛波家の人間だとそうも感じた





「合格だ ようこそ呪術高専へ」

「え?今のって何ですか?」

「面接試験だ 不合格だったら処刑していた」

「…それなら早く言ってください」





サラッととんでもない言葉を放った夜蛾に葛波は震えながら呟いた

五条も去ることながら夜蛾も決して常識人というわけではない

というよりかは常に死と隣り合わせの界隈で普通に生きていくのは厳しいのかもしれない

・→←高専入学



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (496 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1284人がお気に入り
設定タグ:呪術廻戦 , 五条悟 , 伏黒恵
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

プスメラ - 初めまして、この小説は恋愛小説ですか?できれば五条悟オチにしたいです。お願いいたします。続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年1月22日 9時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - ひかるんさん» ひかるん様コメントありがとうございます!拙い語彙力で伝えられたと思うと嬉しいです!これからもご愛読よろしくお願いいたします! (2020年12月26日 22時) (レス) id: a81a0b3a5c (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - 海宙さん» 海宙様コメントありがとうございます!有難い言葉本当に嬉しいです!あ…見つかっちゃいましたか笑 やはり趣味が合うようですね笑 (2020年12月26日 22時) (レス) id: a81a0b3a5c (このIDを非表示/違反報告)
ひかるん(プロフ) - 夢主の感情が伝わって泣いてしまいそうになりました。早く夢主に頼れる人ができるようになってほしいです。更新頑張ってください。 (2020年12月26日 22時) (レス) id: b91485c027 (このIDを非表示/違反報告)
海宙(プロフ) - 他者との距離感や会話の仕方、距離の詰め方まで完璧すぎです。本当に本当に大好きです!これからも無理の無い更新頑張ってください!どうでも良いことなんですがこの前他作者様の作品にコメントをしようとしたらばぐさんが先にコメントしていて思わず笑いました!笑笑 (2020年12月26日 21時) (レス) id: c037788408 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ばぐ | 作成日時:2020年12月11日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。