戦力外通告【呪術廻戦】

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両面宿儺と体を入れ替えた虎杖と五条は10秒間と時間を定めて少しだけ勝負をした

葛波は心配そうにその様子を眺めていたが伏黒はあまりそう思わなかった

それどころか自分が死にかけているというのに呑気に土産を買っていた五条に怒りすら覚えていた


10秒が経つとキッチリ体は虎杖に戻った

話口調も態度も様子も全て普段の虎杖だ

これには五条も驚いた

本当に制御ができているようだ




｢でもちょっとうるせーんだよな｣

｢それで済んでるのが奇跡だよ｣




頭を抑えて迷惑そうな表情をする虎杖

そんな彼の額を五条はトンッと軽く押した

すると虎杖の体はガクンッと力が抜けたように倒れ込んでしまった

五条が支えたため地面に打ち付けられることはなかったが意識を失っているように見える


そんな虎杖を心配そうに見る伏黒を横目に五条は場違いのような雰囲気を出している彼女を捉えた

艶めかしいセミロングの黒髪にスラリと伸びた細い手足

王道アイドルフェイスの葛波からは容姿と相反して独特な呪力が放たれていた




｢君名前は？｣

｢…葛波Aです｣

｢へー やっぱりそうか｣




見るからに怪しい男に急に名前を聞かれた葛波は隠すことなく顔を顰めた

それもそのはずだ

この男は今さっき友人の虎杖を気絶させた

次は自分が襲われるかもしれない

そう思ってもおかしくない




｢君ご両親は今どこにいる？兄弟は？
親戚の集まりとかって最後はいつだった？｣




マシンガンのように質問を投げかける五条

伏黒は少し怪訝そうに五条を見た

その質問は今この状況とどう関係しているか理解できなかったからだ

葛波は五条の質問内容を聞くと悲しそうに眉を下げて小さな声で答えた




｢…両親は一年前に亡くなりました
兄弟も親戚もいないので集まりとかそういうのは一切ないです｣




そう答えた葛波はギュッと手を握りしめた

高校生とは言えまだ子供の彼女にとって両親を失い頼る相手がいないことがどんなに辛いか

同じ状況になったことのある伏黒はまたもや複雑な気持ちになった


一方五条は葛波の言葉を聞いてひとつの結論を導き出していた

彼女が使う術式は極めて特殊なもので出身家系を辿ることなど容易い

しかも御三家の親戚関係にある家系ときた




｢君のご両親は呪詛師だよ｣




確実に間違いない

この術式を使う人間は僅かしかおらず丁度一年前にも五条は彼女と同じ術式を使う人間と対戦していた

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