両面宿儺 ページ1
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宮城県仙台市
杉沢第三高校ラグビー場
空に向かって伸びるように立てられたポールを眺める少年が一人
東京都立呪術高等専門学校1年 伏黒恵
担任に面白半分で任されてしまった任務の特級呪物回収の為に杉沢第三高校にやってきた
不用心にも百葉箱の中で保管していたらしい
しかし伏黒が回収に来た際には特級呪物は百葉箱の中になく姿を消していた
担任に事情を説明するも「回収するまで帰ってくるな」と言われる有様
担任の彼がイカれた人間であることは前々から知っていたことだが今回ばかりは本当に呆れた
特級呪物を見つけるべく杉沢第三高校の生徒を装って校内を歩いていた彼はラグビー場にやってきた
____そして今に至る
「死体でも埋まってんのか?」
その視線の先には気味の悪い浮世離れした化け物の姿
見た感じで2級程度と判断できる
さっさと回収しなければいけないと分かっているが気配が大きすぎて見つけられない
すぐ隣にあるようで遥か遠くにあってもおかしくない
これじゃ潜入した意味がまるでない
スマホに保存しておいた特級呪物の写真を見て再確認した
_____パシャッ
シャッターを切る音がした
振り返ると杉沢第三高校の生徒と思われる少女が一眼レフカメラを構えていた
セミロングの黒髪と色白の肌
丁度いい丈のスカートからはスラリとした脚が伸びている
「う〜ん…やっぱり映らないか」
撮った写真を確認するようにカメラを覗き込む彼女の黒髪が揺れた
伏黒は彼女を見て違和感を感じた
このアングルと先程の言葉
そして彼女から僅かに感じる呪力
(こいつ視えてんのか…?)
呪術師は勿論のことだが根本的に呪霊を視える人間は極稀な存在
もしかしたら彼女なら特級呪物の在処を知っているかもしれない
再びカメラを構える彼女に声を掛けようとしたとき無機質なコール音が響いた
音の先は彼女のスマートフォン
なんというタイミングだろうか
「もしもーし
…えっ今すぐ行きます!はい!それじゃ!」
葛波と名乗った彼女は電話相手から何かを聞くと嬉しそうに声色を明るくさせた
伏黒の存在に気付いていないようで彼女はすぐにグラウンドがある方へ走っていってしまった
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プスメラ - 初めまして、この小説は恋愛小説ですか?できれば五条悟オチにしたいです。お願いいたします。続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年1月22日 9時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - ひかるんさん» ひかるん様コメントありがとうございます!拙い語彙力で伝えられたと思うと嬉しいです!これからもご愛読よろしくお願いいたします! (2020年12月26日 22時) (レス) id: a81a0b3a5c (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - 海宙さん» 海宙様コメントありがとうございます!有難い言葉本当に嬉しいです!あ…見つかっちゃいましたか笑 やはり趣味が合うようですね笑 (2020年12月26日 22時) (レス) id: a81a0b3a5c (このIDを非表示/違反報告)
ひかるん(プロフ) - 夢主の感情が伝わって泣いてしまいそうになりました。早く夢主に頼れる人ができるようになってほしいです。更新頑張ってください。 (2020年12月26日 22時) (レス) id: b91485c027 (このIDを非表示/違反報告)
海宙(プロフ) - 他者との距離感や会話の仕方、距離の詰め方まで完璧すぎです。本当に本当に大好きです!これからも無理の無い更新頑張ってください!どうでも良いことなんですがこの前他作者様の作品にコメントをしようとしたらばぐさんが先にコメントしていて思わず笑いました!笑笑 (2020年12月26日 21時) (レス) id: c037788408 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ばぐ | 作成日時:2020年12月11日 20時