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確かに私たちがランク戦ブースにいることはかなり珍しい
私はオペレーターだし彼方は狙撃手
来る必要がないのだ
｢Aと優雅見なかったか？｣
｢あー…見たよ｣
視線を私たちから逸らして迅くんは答えた
まるで何か隠し事をしているかのようだ
不審な反応に首を傾げると迅くんは私たちに近付いて小さな声で言った
｢…Aが号泣しながら暴れてるんだよ｣
｢Aが！？優雅は！？｣
｢声が大きいって…！｣
その言葉を聞いて私は跳ね上がった
彼方も不安げな表情をしている
迅くんは｢シーッ｣と口元に指を立てた
Aは元から泣き虫な子だ
転んで怪我したりランク戦でボロ負けするとすぐに泣き出すような子だった
だけど誰かに迷惑をかけるような子ではない
それに優雅が傍にいるはずだから暴れさせるはずがない
私は不安な気持ちでいっぱいになった
だって今のAならやりかねない
部隊解散の話を持ち出されたのだ
｢ふたりはどこにいるの！？｣
｢模擬戦ブース 行くとすぐ分かるよ｣
私は模擬戦ブースに駆け出した
ふたりが心配でならなかった
彼方も同じように考えていたようですぐに走り出した
模擬戦ブースに着くとやけに騒がしくて迅くんが言っていた意味が分かった
人混みを掻き分けて前に進むとブースの中には見知った顔があった
｢彼方さんたち何してるんですか…？｣
聞き慣れた声が横からしてそちらに視線を向けると驚いたような顔をした優雅がいた
まさか隣に優雅がいると思っていたなかった私たちは驚きながらもこの状況についての説明を求めた
｢…Aがラウンジで泣いていたら太刀川さんに見つかっちゃって｣
｢模擬戦することになったんです｣と困ったような表情を浮かべる優雅
兄弟子である太刀川くんが泣いているAを気にかけるのは分かる
だがどうして模擬戦をすることになったのか
そしてその誘いを受けたAも謎だ
｢ポイント移動無しっていうのが太刀川さんなりの気遣いだったみたいです｣
｢な、なるほど……｣
観客席には凄い顔ぶりが揃っている
2人の模擬戦を見るために来たのだろう
ブースにいるAは両目から大粒の涙を流しながら弧月を振っている
斬撃が太刀川くんを捕らえると同時に
不安定な精神状況でこんな高度な技術を当たり前のように使える隊員は後にも先にも彼女くらいだろう
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弓月有無％(プロフ) - コメント失礼致します！！描写力が凄くて過去編まで来て思わず悲涙？落涙してしまいました、ストーリーも迚も読みやすく面白かったです！また気が向いたら更新して下さると嬉しいです、他作品も拝読させて頂きます。無理のない程に頑張って下さい是から応援しております (4月27日 20時) (
レス) @page39 id: 1ab55170b6 (このIDを非表示/違反報告)
なのこ5546(プロフ) - 更新ありがとうございます！嬉しいです！！ (2022年10月16日 22時) (レス) id: 88c8eec9ab (このIDを非表示/違反報告)
おと(プロフ) - 更新してくださり本当にありがとうございます！！めちゃくちゃうれしいです涙 (2022年9月27日 19時) (レス) @page33 id: c4a16c735a (このIDを非表示/違反報告)
仔犬(プロフ) - 続き楽しみにしてます！ (2022年9月25日 20時) (レス) @page32 id: 8b2aa36d50 (このIDを非表示/違反報告)
moeka(プロフ) - 続きの更新がなくて寂しいです。更新して下さると嬉しく思います。待ってます。 (2022年5月30日 23時) (レス) id: e6820645c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ばぐ
| 作成日時：2020年12月2日 20時
