過去編(第三章) ページ17
妃旗side
今期のランク戦で私たちは思うように勝つことができなかった
暫定順位は6位
昨期は3位だったというのにこの有様だ
隊室の空気も最悪
｢ちょっと頭冷やしてくる｣
｢俺も行く｣
この空気に耐えかねた私が隊室を去ると優雅もついてきた
｢はぁ｣と溜息が溢れる
他の部隊が確実に強くなってきているのに私たちは変化がなかった
遠征部隊だから忙しいだなんて言い訳はしていられない
正直な話 私と優雅だけで点を獲るのが厳しくなってきている
狙撃手がいるのに上手く利用できていない
それが最大の敗因だ
ラウンジで適当に空いてる席を見つけて腰を下ろした
今日も多くの人が利用していて見知った顔も多く見られる
｢どうしたらいいんだろう
私がもっと上手く動かないとなのかな｣
｢それを言うなら俺もだろ｣
｢…そうなんだけどさ言えないじゃん
彼方さんに人を撃ってほしいなんて｣
どうしたらいいか分からない私は頭をガシガシと掻いた
彼方さんが人を撃ってくれたら確実に上位部隊に戻れる確信がある
だけど彼方さんに｢撃ってほしい｣と言う勇気が出ないのだ
人が撃てなくても的確な指示をくれるし周囲の戦況を把握してくれているから助かる
だけど敵に見つかった彼方さんをカバーに行ったり援護射撃がないのは苦しすぎる
冬島隊と対戦したとき狙撃手の有能性が痛いほど見えた
『部隊解散した方がいいんじゃないかな』
さっきの試合でボロ負けしたあと彼方さんはそう言った
彼方さんを庇った優雅が
結局彼方さんも逃げられず
私は太刀川隊を相手にすることになり出水を落としたあと慶くんに狙われて
1点しか獲れずに試合を終えた
その責任を感じているのだろう
｢部隊解散した方がいいって本気で考えているのかな｣
｢…彼方さんは軽率な発言しないからな｣
｢どうしよう ねぇどうしたらいい？｣
部隊解散なんてしたくない
だけど単独遠征用の特殊部隊が衰退化してしまったら元も子もない
きっと篠田隊のポジションは他の部隊に取られて私たちは解散しなければならなくなる
元はと言えば本部の命令で作られた部隊だから本部が篠田隊に利用価値がないと見なしたら強制的に解散させられる
私たちがどんなに交渉したって覆らない
そうなってしまうのが1番怖かった
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弓月有無％(プロフ) - コメント失礼致します！！描写力が凄くて過去編まで来て思わず悲涙？落涙してしまいました、ストーリーも迚も読みやすく面白かったです！また気が向いたら更新して下さると嬉しいです、他作品も拝読させて頂きます。無理のない程に頑張って下さい是から応援しております (4月27日 20時) (
レス) @page39 id: 1ab55170b6 (このIDを非表示/違反報告)
なのこ5546(プロフ) - 更新ありがとうございます！嬉しいです！！ (2022年10月16日 22時) (レス) id: 88c8eec9ab (このIDを非表示/違反報告)
おと(プロフ) - 更新してくださり本当にありがとうございます！！めちゃくちゃうれしいです涙 (2022年9月27日 19時) (レス) @page33 id: c4a16c735a (このIDを非表示/違反報告)
仔犬(プロフ) - 続き楽しみにしてます！ (2022年9月25日 20時) (レス) @page32 id: 8b2aa36d50 (このIDを非表示/違反報告)
moeka(プロフ) - 続きの更新がなくて寂しいです。更新して下さると嬉しく思います。待ってます。 (2022年5月30日 23時) (レス) id: e6820645c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ばぐ
| 作成日時：2020年12月2日 20時
