過去編(第一章) ページ1
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斬り飛ばされた右腕と腹部からトリオンが溢れ出ている
顔にもヒビが入ってしまった
劣勢な状況を変えられる方法はない
『警告 トリオン漏出甚大』
ここまで残ったのに
格上の相手も倒してきたのに
あと少しで黒トリガーが手に入るのに
悔しさで呼吸が震えた
ギリギリで立っている私を無傷の迅さんは冷たい目で見ている
動けない私に迅さんは弧月を大きく振りかぶった
この試合に自主
誰かにやられない限り戦い続けられるという設定だ
私は左手で自分の弧月を引き抜いた
迅さんは私が再び戦闘態勢に入ったと思ったようで少し後退した
これは私の間合い 迅さんの攻撃は届かない
｢まだやるの？｣
迅さんは笑いながらそう言った
｢やれるはずないだろ｣と言わんばかりの表情
こんな迅さん今まで見たことない
それくらい本気だということだろう
『トリオン供給器官破損 戦闘体活動限界
＿＿＿＿＿＿＿＿
ボスンッと体が落下した
まだ全然弱い自分に嫌気が差した
扉が開く音がしてそちらを見ると慶くんが腕を組んで立っていた
心做しか普段より表情が固い
きっと怒っているんだ
そう思うと自然と涙が引っ込んでしまった
｢なにやってんだよ｣
元から低い声は更に低い
私は慶くんを見ることができない
自分のした行動が責められることだと分かっていたから
だけど慶くんに言われたくなかった
黒トリガーに選ばれなくても十分強い慶くんに何が分かるというのだ
｢うるさい｣
私はあの時自分の弧月で心臓を貫いた
あんな表情をした迅さんに殺られるのはどうしても嫌だった
私の知っている迅さんじゃないみたいで正直怖かった
このままじゃダメだ
もっと強くならないと何もできない
ギュッと拳を握りしめた
｢仕方ねえよ 迅の師匠だったからアイツも気合い入ってたんだ｣
落ち込む私を見かねたのか慶くんは私の隣に腰を下ろしてそう言った
ポンと頭に手を乗せ軽く撫でてくれたけどいつものように喜べない
慶くんだって思うことがあるだろう
｢気持ちの強さは関係ないよ｣
｢……そうだな｣
引っ込んだはずの涙がまた溢れた
このままじゃダメだ
もっと強くならないと何も手に入れられない
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なのこ5546(プロフ) - 更新ありがとうございます！嬉しいです！！ (2022年10月16日 22時) (
レス) id: 88c8eec9ab (このIDを非表示/違反報告)
おと(プロフ) - 更新してくださり本当にありがとうございます！！めちゃくちゃうれしいです涙 (2022年9月27日 19時) (レス) @page33 id: c4a16c735a (このIDを非表示/違反報告)
仔犬(プロフ) - 続き楽しみにしてます！ (2022年9月25日 20時) (レス) @page32 id: 8b2aa36d50 (このIDを非表示/違反報告)
moeka(プロフ) - 続きの更新がなくて寂しいです。更新して下さると嬉しく思います。待ってます。 (2022年5月30日 23時) (レス) id: e6820645c8 (このIDを非表示/違反報告)
おと(プロフ) - 可能でしたら続きがみたいです‼いつまでも待ってます‼応援してます📣 (2021年11月3日 9時) (レス) @page32 id: fcce662fd8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ばぐ
| 作成日時：2020年12月2日 20時
