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迅悠一side
冷たい風がAの髪を揺らした
冬島隊のジャージをすっかり着こなしていて昔の姿を忘れてしまいそうになる
｢寒いね｣と笑いかけると｢そうだね｣と短い言葉で返される
いつもと同じ拙い言葉だけどいつもより柔らかく感じた
Aが死ぬ未来 Aが消える未来
多くの不幸が彼女に降り注いでいるのに容易く未来を変えてしまう
それならば安心できるじゃないかと思うかもしれないが一概にそうは言えない
逆に全く予想してなかったところで死んでしまう可能性も高いということだ
本当はずっと側にいて見守っていたい
危ない任務には行かせたくないしこれ以上辛い思いはさせたくない
だけど俺のこんな思いと反比例するかのようにAはどんどん強くなってしまった
いつの間にか多くの命を背負うほどにまでなってしまって今更止めることなんてできない
「もう私の未来を背負わなくていいよ」
まるで心の中を読まれたかのようだった
何かを諦めたかのように薄く笑うAを見ていられなくて目を逸らしてしまった
珍しく俺に文句を言わずに着いてきたかと思えばこの有様だ
結局は俺が噛ませ犬だった
こんな顔を見せたくなくて顔を背けるとAが俺の袖を引いた
渋々視線を戻すとAは俯いていて表情が読みとれない
今度は俺がしゃがみこんでAに目線を合わせた
色素の薄い瞳に俺が映る
「…迅さんはまだ大人にならないで」
手が震えていた
心做しか声も揺れて小さかった
Aにとって｢大人｣というのは複雑な存在
だから正直冬島隊で上手くやっていることが不思議でならないくらいだ
俺は太刀川さんみたいに強くない
いざという時にAを守れる自信もない
だけど今世界の中でAを救ってあげられるのは自分しかいないんじゃないかと感じた
「やめて」
抱きしめようと手を伸ばすと咄嗟に反応したAに弾かれてしまった
どうやらまだ認めてもらえないようだ
だけど言葉に棘は感じなかった
俺たちの間を引き裂くように冷たい風が吹いてきて石鹸の柔らかい香りが鼻を掠めた
…あぁA 風呂上がりだったのか
肩に掛かったタオルを見て思い出した
このまま外にいては湯冷めで風邪をひいてしまうかもしれない
｢戻ろうか｣と言うとAは｢そうだね｣と答えて先に屋上を去っていった
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ばぐ(プロフ) - 海宙さん» 海宙様お久しぶりです！私もワートリ再熱して書いてしまいました笑 ありがとうございます！今日も一日頑張ってください！ (2020年11月5日 5時) (
レス) id: 16d499b4b1 (このIDを非表示/違反報告)
海宙(プロフ) - まって！今ちょうどワートリ再熱してるんですけど、ワートリとばぐさんとか最高すぎん？って感じです！今まだ読んで無いんですけど絶対読むので読んだらまたコメントしますね！あーー楽しみ！生きる糧にして取り敢えず明日の学校頑張ります！ (2020年11月4日 22時) (レス) id: c037788408 (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - おかかのおにぎりさん» ありがとうございます！そんなふうに言ってもらえて嬉しい限りです！前々からワートリの作品を書きたいと思っていたので本当に嬉しいです！これからもご愛読よろしくお願いいたします！ (2020年10月16日 5時) (レス) id: 16d499b4b1 (このIDを非表示/違反報告)
おかかのおにぎり(プロフ) - ばぐさまの作品全て読ませて頂かせてます！どの作品もとても大好きな神作者さんがとても大好きなワートリの小説を書いてくださるなんて感無量です！これからも頑張ってください！応援してます！ (2020年10月15日 21時) (レス) id: 64b2331bfd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ばぐ
| 作成日時：2020年10月8日 20時
