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斉藤の言う通り中庭は大きな木の日陰になっていてすごく涼しい
程よく風が吹き込んでいて汗でぺたぺたしていた肌を乾かしてくれる
中庭から教室棟を眺めていると3年生棟の廊下を主将の飯綱さんと副主将の船越さんが歩いていた
「船越さんだ!」
「手振ってみれば?」
ちなみに斉藤は船越さんが好き
去年の体育祭の借り物競争で「好きな人」と紙をひいて正々堂々連れ出すほどだ
おかげさまで学校中のほとんどの人が知っていることだろう
「あ、気付いた!手振ってくれてる!」
「よかったね」
「ほら成瀬も手振って!」
斉藤に半ば無理やり手を振らされる
飯綱さんと船越さんも後輩に慕われるのは嬉しいようで窓から身を乗り出して手を振ってくれる
手を振りすぎて落ちないか心配だ
「そういえば船越さんが今度公式戦を見に来てほしいって言ってたよ」
「え、いいの!?」
「うん 特別招待券どーぞ」
ポケットから出した招待券を渡した
斉藤は相当嬉しかったようで招待券を両手で持って太陽に透かしている
「はわわ…」なんて声まで漏らしている有様だ
ウチの学校は言わずもがな男バレが有名
強豪校中の強豪校であるウチのチームは人気も凄くて公式戦がある度 会場の観客席は満席になる
ただでさえ部員が多くて彼らだけでもかなりの席を埋めるというのに公式戦は保護者も集まる
それに加えて全校応援が強制されてないのに生徒たちは必ずと言ってもいいほどやってくる
有難いことなのだが斉藤のように部活をやっていて朝から待機できない生徒は席に座って試合を見ることが出来ない
だから時折発行される男バレ部員手書きの特別招待券を斉藤に贈呈した
しかも船越さんが書いたやつ
ベンチ入りしたメンバーのみ特別招待券を書くことが許されていて1人あたり3人まで招待できる
ちなみに私は特別招待券を書かない
書く権利は与えてもらっているんだけどそんなことをしたら怖い女子に囲まれてしまう恐れがあるからだ
スクールカースト上位の彼女たちは悪い人ではないと分かっているのだが怖いものは怖い
「そろそろスイカの季節だなー」
「スイカ割りしたいな」
「そんなことしたら食べるところ減るよ」
大きなおにぎりを頬張る斉藤は「確かに」と言って私を見た
彼女の化け物じみた食欲には毎回驚かされているがスイカに関しては私の方が一枚上だ
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らおう - ほんと俺に面白かったです!!これからも頑張ってください!! (2021年6月20日 17時) (レス) id: 167c20847a (このIDを非表示/違反報告)
Rena.(プロフ) - 稲荷崎のジャージって赤系の色だった気がするのですが… (2020年7月29日 20時) (レス) id: 1c1efba1d7 (このIDを非表示/違反報告)
rye(プロフ) - 46ページの鴎台の台が対になってますよ、! (2020年5月3日 18時) (レス) id: 17d389d2ff (このIDを非表示/違反報告)
コハク(プロフ) - 更新ありがとうございます!続き楽しみにしてます! (2020年4月29日 9時) (レス) id: 204a8dc5ce (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - 犬になりたいさん» ありがとうございます!やはり夢がある女の子はかっこいいですよね!更新頑張ります! (2020年4月28日 17時) (レス) id: f0730c5fd6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ばぐ | 作成日時:2020年4月19日 21時