魔女が一人。【呪術廻戦】

過去編 ページ21

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イギリス・魔法省。


通常の人間ではきっとお伽話のような、現実とはかけ離れた世界だ、とでも思っているようなことが日常茶飯事に起きる魔法界にて、通常世界の政府の役割を果たしている場所である。

多くの魔法使いがここで働いており、普通に見ればなんら通常世界の職場と変わらない。




そんな地下10階にまで広がる魔法省の一角、地下2階「魔法法執行部」。

やけに急いでいる一人の男性がいた。すれ違う人は何だ何だと振り返り、彼と親しい同僚は思い出したように大声で話しかける。




「ああ、今日Aちゃんが帰ってくるんだっけか！」

「あ、もうそんな時期か？でも長期休暇ってまだ先じゃ…」

「あの子はホグワーツじゃなくてマホウトコロに行ってるんだよ。将来はクィディッチ選手か？」

「この間の日刊預言者新聞のAちゃんの記事見たか？大きく成長しててな、俺も親目線で…」




好き勝手騒ぐ同僚には耳も貸さずに、彼は荷物をまとめ始める。

そんな彼に、ある同僚が包み箱を渡した。




「これ、Aちゃんに」


「ああ、ありがとう」




感謝を伝え、彼は目を瞑った。

日本にある自分の家を強くイメージし、大きく成長したのであろう自分の娘に想いを馳せる。


ポンっ、という音がして、彼は忽然とその場から消えた。







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日刊預言者新聞：いわゆる新聞です。

ホグワーツ：イギリスにある“世界一安全“な魔法学校

クィディッチ：箒に乗って行われる魔法界のスポーツ。ワールドカップもある。

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