ななみんさん ページ19
.
脱サラ呪術師、七海健人。通称ななみんさん。
高専で特訓していたと思ったら急に任務の呼び出しをくらったAは、現場に着き目を見張った。
薄暗い、まるで廃工場のような、廃墟のような。なんだここ。
『お化け出そうですね…』
「お化けっていうか…呪霊が出てるんだけどな、実際ここで」
『…ふ、知ってますけど』
今回同行する先輩の猪野にわざとらしくにっこりと笑いかけて、彼より一足先に現場へと入るA。
…かと思えば、ちょっと言って引き返してきた。
『ちょっと先行ってもらっても…?』
「…わかったよ、わかった」
子供か、なんていう感想を彼が抱いたのはいうまでもない。
『いや違くて。昨日ちょっと怖い映画見ちゃって』
「それで怖がってると」
『いや、怖がってるっていうか?結構暗くて…』
「ビビってると」
『いやビビってるっていうか?結構…』
_____
ある程度進んでいくと、七海の背中が見えた。
『…ななみんさん!』
「…Aさん。申し訳ないのですが、耳塞ぎってできますか?」
『私の?』
「そうです」
首を傾げながら、素直に『
在校生であるAに、虎杖が生きているという事実を伝えるわけにはいかないのだ。
「だめです。理由は今朝も言いましたね。帳まで降りたとなると、奴は生きている上里桜高校にいる可能性が高い。
…すぐ戻ります、虎杖くんは待機していてください」
うじゃうじゃと湧いてくる呪霊に目を丸くし、トントンと七海の肩を叩くA。そのタイミングで通話は終わったらしく、彼はAに向き直り、呪文解除の合図を出す。
『
「そういう訳なので、あと任せます。猪野君、香月さん」
「えぇっ!?」
「何か問題でも?」
『いや、数が…二人分にしては結構多い気がするなぁって…』
「それもそうなんだけど…しかも人間なんでしょ?」
『元、でしょう。元』
辛そうな顔で呪霊を見つめるA、そしてそれを見つめる猪野。
そんな彼らを背に向け、平坦な口調で七海は言い放った。
「…1級呪術師推薦の件、引き受けてもいいですよ」
「…」
『マジで!?!?』
「頑張るぞー!」
一気に元気になった二人。単純とも捉えられそうな彼らは目を合わせ、瞬時に呪霊の元へと走っていった。
.
1515人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
れもん - 好きです!(ゑ)更新待ってます!! (2021年4月23日 18時) (レス) id: 46613accf8 (このIDを非表示/違反報告)
なんなん(プロフ) - もち米の化身さん» すごく嬉しいですありがとうございます> <!飽きてなかったですか、よかったです笑 (2021年3月22日 23時) (レス) id: c1887ad742 (このIDを非表示/違反報告)
もち米の化身 - 面白いですね!あと、飽きませんよ! (2021年3月21日 23時) (レス) id: 356bd7e73b (このIDを非表示/違反報告)
なんなん(プロフ) - ムスメ3さん» 世界がガッツリ!ってわけではないです!呪文、出身校、家柄、両親の仕事ぐらいですかね。わかりづらかったらごめんなさい泣 (2021年2月14日 21時) (レス) id: c1887ad742 (このIDを非表示/違反報告)
ムスメ3(プロフ) - 初めましてこんばんはもしかしてハリ〇タの要素あり的な感じですか? (2021年2月14日 21時) (レス) id: 43c62374c1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:なんなん | 作成日時:2021年2月6日 23時