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つい数秒前の出来事である。

銃を突きつけられている野薔薇と、突きつけている真依。二人の目の前を、目にも止まらない速さで何かが通り過ぎていった。



「…A、さん?」




野薔薇の耳には、小さい声だったが『マフリアート(耳塞ぎ)』という言葉が届いていた。


彼女の予想は大正解。通り過ぎていったのは箒に乗ったAである。ちなみにこれは通常聞かれたくない話をしている時、第三者に対してかける呪文だ。

ではなぜ彼女は自分にかけたのか。答えは簡単である。




《動くな》




万が一に備え、狗巻棘の呪言を防ぐ為。

彼の呪言によって東堂は強制的に停止させられ、そして彼はパンダに殴られ。肝心の恵はというとAに回収され、箒に乗り上空にいた。




「ふう…ギリギリセーフ」

「おかか」

『良かった…ありがとう』


「まあ…アウトっちゃアウトか」




Aの感謝の言葉で彼女の周りを飛んでいた半透明のカラスは消え、同時に東堂も血を吐きつつ立ち上がる。




「久しぶりだな、パンダ」

「なんで交流会まで我慢できないかね?帰った帰った。大きい声出すぞ、いや〜んって」

「言われなくても帰るところだ。…上着どこだっけ。
…どうやら退屈し通しってわけでもなさそうだ。乙骨に伝えとけ、“お前も出ろ“と」




死んだ顔をする2年生3人。どうやら伝えるつもりはないらしい。



「オレパンダ、ニンゲンノコトバワカラナイ」

「しゃけ」

『しゃけしゃけ』




ジト目でAを睨む棘に、彼女は笑いかける。そしてその目線から逃げるように、改めて恵に向き直った。




『よし、捕まって恵』

「え?」

『硝子さんのところ行くでしょ?』

「いや、行きますけど…」

「強制的に連れてけA」

『おけ!』



恵をちゃんと箒の上に乗せて、前に乗る彼女は振り返ってちゃんと乗っていることを確認した。



エピスキー(癒えよ)…よし、行こう』

「これ落ちませんか?」

『二人乗り初めてだから不安だけど…多分大丈夫』

「多分って…」



不安しかない彼女の言葉を聞きながらお腹に手を回した次の瞬間、さらに景色が上昇していった。Aは思わず声を漏らしてしまう恵に満足そうにしている。


そしてすぐ、スピードを出して箒が進んでいった。

落ちることはないだろうが気分的にはほぼ落ちているようなもの。恵は数十秒前の選択を後悔することとなる。






女子ーず→←.



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れもん - 好きです!(ゑ)更新待ってます!! (2021年4月23日 18時) (レス) id: 46613accf8 (このIDを非表示/違反報告)
なんなん(プロフ) - もち米の化身さん» すごく嬉しいですありがとうございます> <!飽きてなかったですか、よかったです笑  (2021年3月22日 23時) (レス) id: c1887ad742 (このIDを非表示/違反報告)
もち米の化身 - 面白いですね!あと、飽きませんよ! (2021年3月21日 23時) (レス) id: 356bd7e73b (このIDを非表示/違反報告)
なんなん(プロフ) - ムスメ3さん» 世界がガッツリ!ってわけではないです!呪文、出身校、家柄、両親の仕事ぐらいですかね。わかりづらかったらごめんなさい泣 (2021年2月14日 21時) (レス) id: c1887ad742 (このIDを非表示/違反報告)
ムスメ3(プロフ) - 初めましてこんばんはもしかしてハリ〇タの要素あり的な感じですか? (2021年2月14日 21時) (レス) id: 43c62374c1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なんなん | 作成日時:2021年2月6日 23時

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