Maybe 2

28.Go ページ28

＊Go





俺が、Aへの気持ちを貫いてもいいのか



人知れず、グチャグチャになっている時




たまたま事務所で、楽しそうに話す井ノ原くんとAを見かけた




すごく、楽しそうに、幸せそうに見えて



俺は、あんな自然な笑顔にさせてあげられるのか



彼女を不安だらけにさせてしまうんじゃないか



そんな風に俺が不安だらけになって……





……………だから





｢井ノ原くん｣




｢ん？｣




｢………Aのこと、幸せにしてやって｣




手を離すことにした……




大切だから……




大事だから……。




｢は？｣




｢…………｣




ものすごく不満気な顔を向ける




｢どういう意味だよ？｣





｢そのままの意味だよ。……俺は、Aのそばにいられるような人間じゃないって気付いたんだ｣




｢なんだ、それ。

別に、そばにいるのに【こうじゃなきゃいけない】とか【こうだからいけない】とかそんなんねーだろ。｣




………ライバルが減るのになんで、この人はこんな必死なんだか 笑




｢いや、単純に……幸せにしてやれる自信がなくなった。それだけだから。｣





井ノ原くんとなら、間違いなくアイツはずっと笑っていられる。




俺だって、



井ノ原くんなら




井ノ原くんになら……




｢………まぁ、そう言うことだから。｣




まだ、なにかを言いたげな井ノ原くんの肩を叩いて俺はその場を離れた

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