Maybe 2

12.YOU ページ12

＊YOU




狭い車内は、森田さんとの距離がいつもよりも近く感じられて、



とにかくドキドキした。




お酒を飲んだせいもあって頭も少しフワフワしてる




運転をする彼の横顔を盗み見る




｢……なんだよ｣




｢え！？｣




｢見てるの、バレてっから 笑｣




｢………｣





｢………お前さ｣




｢は、はい！｣





｢……井ノ原くんに、なんか言われた？｣




｢え？！｣




｢……わかりやす。｣





｢な、なにも、べつに。そんな……｣




｢……好き？｣




｢えぇ！？｣




さっきから、どうしたんだろう、ほんと……





｢お前はさ、俺のなかでもう【女】だから。｣




｢………え｣




｢……結構必死で【妹】と思おうとしてたんだ。


【女】ってヤツを、もう信じられなかったから。

だから……お前のことは、そんな対象にしたくなかった。｣




｢………｣





｢でもさ、お前のことを知るうちに

俺ん中で、またキモチが動き出した。

………お前なら

お前となら、また【恋】ってやつ？

出来んじゃないかな…って。｣




ドキドキと、高鳴る鼓動




｢………｣





｢……いや、違うな。


出来るんじゃないか……じゃなくて、



したくなってた。お前と。【恋】ってやつ。｣




まっすぐ前を見ながら、そう言う彼の顔が



街灯に照らされたことで、赤く染まっているのがわかった

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