GUILTY #Masayuki

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「………お願いします…」




「シートベルト、ちゃんとしろよ」




「あ、はい」




エンジンをかけた車の音と



運転席に座る先生との距離の近さに



とにかくドキドキして



シートベルトを締める手が震えた。




カチャカチャ、



「あ、あれ？」



全然はまらない。



手が震えて……




「……なにしてんの？ 笑」




「え？」




「カチャカチャ 笑」



「あ、暗いからかな？はまらなくて……」



なんて、緊張を隠したくて、暗がりのせいにしてみたり。




「クククク 笑」




笑いながら私の手ごと、シートベルトの金具をカチャッとはめてくれた先生。



触れた温かい大きな手のひら。



夏祭りで、手を繋いだことを思い出して



胸が、ドキッと大きく跳ねた。




「……ありがとうございます」




「ん。んで、どこ行けばいいの？」




「え？」




「え？じゃないだろ 笑

どこに買い出し行くの？」




「えーっと……」



ほんとは、近くのコンビニに行こうとしてた。



でも……



すごくドキドキはするのに、



この空間に、




２人きりのこの空間に



少しでも長くいたかった。




「30分くらい行ったとこに、商業施設があるじゃないですか、そこに」




「え？」




「え？」




「なに買うんだっけ？」




「………ポスカです」




「１０分くらい行ったとこの本屋にもあるんじゃないか？」




「え、でもあそこ、この時間じゃ、もう閉まってるんじゃないかなー」




「……いや、まだ18時だぞ？

この前19時過ぎに通った時まだ、やってたけど」




「…あ！今日って、定休日だったかも！」




「朝、やってたけど」




「………あー…」




「……下手くそか。 笑」




可笑しそうに笑う先生をチラリと盗み見た。




「………だって……」




だって、ちょっとでも一緒にいたいんだもん




「……じゃあ、売り切れてたら、あっちまで行ってやるよ」




「え？」




「……いや、売り切れてたら、だぞ？」




動き出した車。



ハンドルを握って、私をチラリと見て笑った。




………神様、どうか、売り切れてますように。




そんな下らないことを、神様に本気で願った。

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