GUILTY #Masayuki

. ページ36

次の日



「おはようございます」



「おはよう」



朝、廊下で坂本先生と会った。



おはようと、笑った先生は



私の横を通りすぎようとしたから…



「あ、待って、先生！」



その腕を、咄嗟に掴んだ。



「……どうした？」



やけに笑顔でそう聞かれた。




「あ、あの……昨日……」




「あ、坂本先生！ちょっといいですか？」




私の後ろから少し甲高い声がした。



振り返ると


「……小池先生…」




昨日私が嫌いになった小池先生が立っていた。




「あ、Aさん、おはよう」



にこやかに微笑まれても



微笑み返せるような余裕が私にはなくて……




「おはよう、ございます……」



無愛想に、返事を返した。




「A、なに？」



坂本先生が、私の顔を見た。




でも……




小池先生を前に、『昨日、どうして小池先生を車に乗せてたの？』なんて聞けない。聞けるわけがない。



「あぁー、いえ。なんでも。」




掴んでいたその腕を離した。




「小池先生、なんでした？」



「あ、あの件なんですけど…」



２人が並んで歩いていった



その後ろ姿は



すごく……



大人で



違う世界の人みたいに見えた。

.→←.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す