GUILTY #Masayuki

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「あーー！もぉ、無理ーー！」




外からは、サッカーボールを蹴る音と、サッカー部員たちの声。




遠くの方では、カラスの鳴き声も聴こえてくる。




開けたままの窓からは、




キレイな夕焼けが見えて




吹き込む風がカーテンを揺らす。




そんな穏やかな風景とはウラハラに




私は、顔面蒼白



パニック状態。




１７時まであと１０分。




どうしよう。



半分も終わってない。



なんやかんやと手伝ってくれていたカズハたちも、

バイトだったりデートだったりで、早々に帰ってしまった。




「あぁ……どうしよう……」




机に突っ伏した時




「痛っ、」




また頭をポコッと叩かれた。





「まだ終わりませんか？眠り姫。」




顔を上げると




「……せんせー……」




坂本先生が、笑ってた。




「どこまでいった？」




前のイスを、ガガー、と音を立てて引きずって長い足で跨いで座った。





「…………」「…………」




黙ってプリントを覗き込んでから




「……いや、まだ半分かよ。」




って、また私の頭を丸めた教科書で、ポコッと叩いた。




「……ぅー…だってぇー…ぜんぜん、わかんないですもん……」




半泣きの私。




「だから、ちゃんと授業聞いてないから。」




「……だって、先生の声、眠くなるんだもん。」




「え？」




「……低くて、良い声だから。

眠くなる。」




チラリと先生の顔を盗み見ると



困った顔してた。




「………俺のせいなの？」




「半分、先生のせい。」




そう言うと、目が合った。




トクッと僅かに早くなった心臓。





「んー……わかった。」




メガネをクィッと上げた先生が、ボソッと呟いた。




「ん？」




「特別授業、してやるか。」




にやりと笑った。





「特別授業？！」




「うん。Aが残れる日、17時30分まで。」




「えー！！ムリムリムリムリ！大丈夫です！

ちゃんと、寝ないで授業受けます！

やだ、放課後まで授業なんて、ぜーったいやだ！！」




全力拒否する私に



「ハッハッハッハッ！！笑」と可笑しそうに大きな口を開けて笑った先生。




初めて見た、その無邪気な姿に




私の胸は、また高鳴った。





………この笑顔、やっぱり好きだなぁ




「…………」





もっと、先生の色んな顔が見たい。




私だけしか知らない、そんな顔を……いっぱい。





………だから……




「せ、先生！」

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