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ドアを閉めてから




「………誰にも言うなよ」




「え?」




「Aにも、他の誰にも。」




「………言わなくて、いいんですか?」




「言えねーよ。………悲しませたくない。

気付いてないなら、その方がいいのかもしれないし。」



………いい……のかも、しれない……



……いい、のか?




よく、わかんねー。



「…………」




何か言いたげな深谷





「深谷」




「はい。」




「やっぱさ、一つだけ、頼まれてくれない?」




「……なんですか?」





「……アイツの様子、見に行ってきてくんない?」




「え?」



「………ちゃんと、笑ってるか、どうか。」




「…………」




「…ちゃんと、飯食ってるか、どうか。」




考えるようにした深谷



「………森田さん」



「ん?」




「僕は、Aさんと付き合いはないので、顔を見ただけじゃわかりませんよ。

………森田さんが、行くべきです。」




「え?」




「……森田さんなら、彼女のちょっとした変化にも気づいてあげられるでしょうから。」





「……俺は………」




「……僕は、略奪愛の末の子どもです」




「え?」




突然、深谷がそんなことを話出す。



「母は、すでに結婚していたんですけど、

その時の旦那さん以外に、どうしても好きになってしまった人がいたそうです。

それが、僕の父親で……

悩みに悩んだ末に、駆け落ちをしたそうです。」




「…………」




「その後に、僕が生まれたんですけど。

今だに、父と母は、めちゃくちゃ仲良しです。

こどもの頃なんて、父と母に挟まれて手を繋いだことがないくらいなんですよ。

いつも2人が手を繋いでしまうので……笑


そんな仲良しで、いつも幸せそうな両親が僕は大好きです。

父に、略奪されてよかったなとすら思ってます。


………つまり、何が言いたいかって言うと……



本当に、好きな人と一緒にいるべきだと思うんですよ。


すでに結婚してるから、とか……

略奪愛だ、とか


そんなの、幸せになる為、幸せにする為なら、関係ないんじゃないかと僕は思ってます。」



「………深谷」




「……明日は、ちょうど事務所でミーティングです。

僕は……止めませんから。」




深谷がニッコリ笑って車を走らせる。



…………どいつも、こいつも



俺の背中を押しやがる。



《アイツの幸せの為》


俺なりに、それを考えてたつもりだった



《幸せになる為》《幸せにする為》か。

ー→←ー



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設定タグ:V6 , ComingCentury , 森田剛   
作品ジャンル:恋愛
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花那(プロフ) - ひささん» 癒しと言って頂けてとても光栄です🥰私の中で、❤️くんは分かりにくい優しさに溢れた人ってイメージで、それがちゃんと出せているようで、とてもうれしいです😊お互いバタバタの夏休み、がんばりましょう 笑 (2022年7月31日 15時) (レス) id: 6e09a5c586 (このIDを非表示/違反報告)
ひさ(プロフ) - 剛くん優しい☺️剛くんの優しさがとてもあたたかくて、自分も人に対してこうありたいなと思います☺️夏休み、忙しいですね💦私も毎日バタバタです😅そんな中、花那さんの物語りが癒しです☺️次の章も楽しみにしてます! (2022年7月31日 13時) (レス) @page49 id: d7d462c614 (このIDを非表示/違反報告)
花那(プロフ) - ひささん» いつもありがとうございます😊そうなんです。今回は少し違うパターンで迷いながら進んでおります。色んな答えがあってもいいのかな…とか。どんな展開になっていくのか楽しみにしていてください❤️ (2022年7月20日 0時) (レス) @page27 id: 6e09a5c586 (このIDを非表示/違反報告)
ひさ(プロフ) - 今回は今までとは少し違うGUILTYシリーズですね!いつもの切なさもありますが、その先の幸せももしかしたらあるのかな?っと思っちゃいます。そこが剛くんの純粋で真っ直ぐな内面と綺麗にマッチしていて、とても好きです☺️また明日も楽しみに待ってます! (2022年7月19日 23時) (レス) @page27 id: d7d462c614 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花那 | 作成日時:2022年7月11日 14時

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