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ページ13

「……本当に、ありがとうございました……


あの、身体にだけは、本当に気を付けてくださいね。

面倒でも、ちゃんとご飯だけは食べてくださいね」



今にもこぼれ落ちそうな涙を溜めて、俺に笑いかけるA




「………母親かよ 笑」



絞り出した俺の言葉。



それに


「……母のような、気持ちです…」



なんて、笑うから



「なんだそれ 笑」



切なさが増して、胸の辺りがぎゅっとして



笑ったけど、笑えてたのかも、わかんねー。




「……………」



一瞬黙ったAの口から




次に出てきた言葉は



「………剛さんのこと……大好きでした。」



ドキッと鼓動が跳ねた




「は?」




「……ヒトとして、すごく……」




……ヒトとして……





………ヒトとして……か……





「……そ、っか。

俺も………好きだったよ。お前のこと。」




………ヒトとしても、女としても………




「………剛さん……っ、」



俺のその言葉がきっかけになったのか

ポタポタ、とAの目から涙が流れだした




「……泣くなよ。お前の、門出だろ?

笑って、さよならしようぜ。」



「……ごめん、なさい……っ、」




涙を拭ったAが、




「剛さん、今まで、ありがとうございました」




「うん。俺も、ありがとな。」




「………お元気で……」



目に涙をいっぱい貯めて、ニコッと笑ったから




「うん。お前も、元気でな。」



俺も、笑った。精一杯……笑った。




車を降りて、



Aに小さく手を上げた





Aも笑って、俺に小さく手を振った




笑うAに背を向けて、エントランスへ歩く




振り返らずに……



いつもと、同じように……




エレベーターホールまで入るともう、俺の姿はあっちからは見えない。




だから……




顔を覆った。




「……好きだった。

めちゃくちゃ、好きだったよ。」




俺の独り言は、



儚く消えていった。



………アイツへの【恋心】だけを残して……

It's Over... Your Side Story→←ー



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設定タグ:V6 , ComingCentury , 森田剛   
作品ジャンル:恋愛
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花那(プロフ) - ひささん» 癒しと言って頂けてとても光栄です🥰私の中で、❤️くんは分かりにくい優しさに溢れた人ってイメージで、それがちゃんと出せているようで、とてもうれしいです😊お互いバタバタの夏休み、がんばりましょう 笑 (2022年7月31日 15時) (レス) id: 6e09a5c586 (このIDを非表示/違反報告)
ひさ(プロフ) - 剛くん優しい☺️剛くんの優しさがとてもあたたかくて、自分も人に対してこうありたいなと思います☺️夏休み、忙しいですね💦私も毎日バタバタです😅そんな中、花那さんの物語りが癒しです☺️次の章も楽しみにしてます! (2022年7月31日 13時) (レス) @page49 id: d7d462c614 (このIDを非表示/違反報告)
花那(プロフ) - ひささん» いつもありがとうございます😊そうなんです。今回は少し違うパターンで迷いながら進んでおります。色んな答えがあってもいいのかな…とか。どんな展開になっていくのか楽しみにしていてください❤️ (2022年7月20日 0時) (レス) @page27 id: 6e09a5c586 (このIDを非表示/違反報告)
ひさ(プロフ) - 今回は今までとは少し違うGUILTYシリーズですね!いつもの切なさもありますが、その先の幸せももしかしたらあるのかな?っと思っちゃいます。そこが剛くんの純粋で真っ直ぐな内面と綺麗にマッチしていて、とても好きです☺️また明日も楽しみに待ってます! (2022年7月19日 23時) (レス) @page27 id: d7d462c614 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花那 | 作成日時:2022年7月11日 14時

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