【twst】忠犬先生は今日も元気。【男主】

趣向 6 ページ41

ふと、ジェイドさんがボクの目の前にひざをつく。
それでも座っているボクとおおよそ同じ目線だ。

ジェイド「ふふ、本当に可愛らしいお顔をしておられる。そして綺麗な声、脚。素晴らしいですよ、アズール。」

その声に釣られるようにアズールさんもじっくりとボクの体を眺め始める。
…なんだか恥ずかしいなあ。

『…ボク、売られる？』

なんだか見られすぎて、品定めをされている気分になってきたので、そう声を上げる。
すると、ジェイドさんに撫でられた。

ジェイド「売るだなんてしませんよ。あとが怖いですから。」

アズールさんがため息をついた。
……兄さん今頃怒ってないといいけど。
そんなことを考えていれば、いつの間にかフロイドさんが居なくなっていて、ジェイドさんもどこかへと向かってしまった。探しにでも行っちゃった？

アズール「あ、の……少し触れてもいいですか？」

少しの沈黙から出てきたのはそんな言葉。
触れる…触られる……どこを？
疑問を抱きつつも何となくこの人は大丈夫だろう。と了承してしまった。

アズール「……！…も、もふもふだ…」

手袋を外したアズールさんはボクの髪の毛を優しく撫でながらそんなことを呟いた。
ボクは毛並みがいいって兄さんにも褒められたなあ…

『ボクはアズールさんの髪の毛もキラキラしてて素敵だと思いますよ！』

アズール「そ、そうですか…」

アズールさんはピタリと撫でる手を止めてメガネを直した。
……そういえば、ジェイドさんはアズールさんがお疲れ気味。みたいなこと言ってたな…
そんなことを思い出していれば、自然と体が動いた。

アズール「……っ！？な、なにを！？」

『あ、え…えっと、その、ハグをすることで疲れやストレスが軽減されるって本で読んで…ジェイドさん、アズールさんがお疲れ気味みたいなお話してたので…』

ダメだったかな？とちらりとボクよりも高い位置にあるアズールさんの顔を覗いてみる。
すると、アズールさんはギューッとキツく抱きしめてきて、少し痛い。

アズール「か、か、かわ………っ〜〜〜〜〜…！！！」

……ヤバい人なのかも、2年生で寮長で経営者で…ってすごい人なのかなって思ったけど、趣向がやばい人だったかも…
だってボクに可愛いだなんて変な人確定だよ…
しかもなんだか、抱きしめながらボクの髪の毛に顔を埋めて深呼吸を繰り返してるし…

『あ、アズールさん…痛いです…』

アズール「おや、そういえばお兄様と付けるのはどこに行ったのですか？」

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