【twst】忠犬先生は今日も元気。【男主】

手のかかる ページ27

次は兄さんの手伝いで移動教室だったな…と誰も居ないはずの3年D組の前を通り過ぎる。
……今誰かいたよな。
少し戻って教室の中を覗き込む。

『……マレウス・ドラコニア。次は移動教室だぞ。』

マレウス「……そうなのか。」

マレウスは素直でいい子だが、あまり周りの人間と上手くかかわれていないようで、よく寮長会議など知らされてないと聞く。

『俺と行こう。』

そういえばあからさまに嬉しそうに立ち上がる。
……角も相まって大きいな…

マレウス「次は手伝いなのか。」

『あぁ、その時に偶然見かけたからな。』

マレウスは距離感がおかしい。
今だって歩きにくいのに俺にのしかかるように抱きついて歩いている。

『歩きずらい。後少しで鐘が鳴るし、少し急ぐぞ。』

そう言えばマレウスは少ししょんぼりとして俺を解放してくれた。
……仕方ないな。ぎゅっと手を繋いでやる。

マレウス「……！ 」

マレウスは一瞬驚いたが、直ぐに嬉しそうな顔をして俺よりも長い指を絡めてくる。

実験室へ着いた時、なんとかマレウスを説得して手を離し、帰りも一緒に戻る。と約束を交わした。


マレウス「ふふ、お前は小さいな、A。 」

何やら嬉しそうに俺に抱きついては失礼なことを言う。
ぎゅっぎゅっと手を握られ、何かと顔をあげれば満足そうに笑われる。

マレウス「今日、放課後にまた会いに行っていいか？」

『えー…マレウス、俺のワイバーンと仲悪いからな…』

そういえばマレウスはムスッとした顔をするので頬を撫でてやる。

『……まぁ、ワイバーンに会いにいくまでの時間はいいだろう。おいで。』

仕方なく許可してやれば嬉しそうににっこりと笑う。

『ほら教室。まだ授業はあるんだから、セベクとシルバーを困らせないように頑張れよ。』

マレウスはすこし切なそうに、俺の人差し指を握ってから、教室へと戻っていった。

マレウスは本当に素直で可愛い子だ。
……だが、どうも扱いにくい部分もあるし、少し困った子だ。
手のかかる弟のようなもので、本当に可愛いんだがな。

放課後、大丈夫だから。と俺のワイバーンに会いに行ったマレウスは無事ワイバーンと喧嘩したので、すぐ返した。
…またご機嫌取りが大変になった………。

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