【ONEPIECE】鎧を纏う3【男主】 (ページ10)

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鳥カゴページ10

鳥カゴがどんどん小さくなっていく事態に、いち早く動いたのはゾロ。鳥カゴを力で押して、止めようという魂胆だ。

次々と力自慢達が鳥カゴの側面へと集っていく。

鳥カゴを押せ、押し返せ！皆が皆、一心にそう思い、行動を起こしている。海軍だって、他ではない。

『総員鳥カゴを押し戻せ！！』

そう言って俺も加わろうとする。が、それはひとつの声によって遮られる。

イッショウ「アンタはドフラミンゴの動向を追ってくれやしませんか。こんな状態であの男に暴れられては、たまったもんじゃあない。」

『で、ですが…』

イッショウ「今ここにいる中でドフラミンゴに太刀打ちできるのはアンタしかいねェんです。どうか、頼まれてはくりやァせんか。」

そこまで言われて、期待に沿わない男ではない。

『…分かり、ました。』

命がどんどん減っていく、且つ禍々しい空気を纏うドフラミンゴの元へ、俺は向かった。

…レベッカが剣を振り上げ、じりじりと近づく瞬間、止めに入ろうとして…スピーカーの音が耳を突いた。

コロシアムで、聞いた実況だ。

…その実況は、ルフィ…いや、ルーシーの事を語っていた。それはそれは、楽しそうな口ぶりで。
住民たちは、その姿を見たと口々に言う。

ギャッツ「しかし！それは仮初の名前！本当の名は…

…海賊！麦わらのルフィ！」

そして、実況は続けた。
海賊であるドフラミンゴに支配されたこと、だがそこを海賊に救われた事。
実際、その海賊が、ドフラミンゴの相手に善戦し、身をもって戦ってくれたこと。

ギャッツ「まだ、おわりではない！嬉しさに震えろ！ドレスローザ！！
ルーシーは、約束してくれたんだ！ドフラミンゴの1発KO宣言！！」

沸き立つ住民達。本当にいい国だ。リク王の人の良さゆえの住民性だろう。
にしても、1発KOとは。随分な宣言だ。だが、それくらいしてもらわねばな。

ギャッツ「…聞こえてるか！ドフラミンゴ！お前は、王を操り、世界を欺き。このドレスローザに居座った、いつわりの王！

ここが貴様の、処刑場だ！！！」

随分な口上だ。まさに命を張った煽り文句。鳥肌モノだな。

ギャッツ「どこかで聞いている、スターの名を呼べ！！」

実況の体が糸に貫かれるのを回避させようとしたが、間に合わず掠らせてしまった。

『…すまない！』

「「0！！」」

そのコールがかかっても尚、ルフィが現れることはなかった。

…しまった、レベッカが走り出している。