【ONEPIECE】鎧を纏う3【男主】 (ページ7)

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…彼は、センゴクさんの命令を無視して、オペオペの実をとりにいったのだ。
彼が言う、治す術というのはその事だったんだ。

彼は、恐らくオペオペの実をローくんに食わせて、匿って死んだのだ。俺は容易にそう結論づけた。
そして、殺したのはドフラミンゴ。実の兄だと聞く。

俺は、悔しくてたまらなかった。
俺はロシナンテさんの役に何も立てなかった。どうせこんなことになるなら俺が変わりに死んでしまえば。何度そう思ったか。
…なんで俺は深く話を聞かなかったのか。

後悔だけが残っていた。話をおつるさんから聞いた後、俺は久しぶりに部屋に戻ってベッドへ沈みこんだ。
…そして、テーブルの上の箱に気がつく。煙草の箱だ。
煙草の銘柄を確認すれば、ロシナンテさんのものだとすぐ気がついた。あの人は俺の前で煙草をあまり吸おうとはしなかったが、見覚えのあるパッケージでわかった。

また、俺の部屋に忘れていって、あの人は。
…届けに行かないと。と箱に手を伸ばして、ロシナンテさんが死んだことを思い出して1度手を止めた。

静かに箱を手に取って、じっとパッケージを眺めた。
…煙草なんて手に取ったのは初めてだった。こんなに軽いのだろうか。そう思いつつ、中を確認すれば、紙が入っていた。

『……なにこれ、』

4つ折りにされた紙を開けば、綴られているのはロシナンテさんの文字で間違いなかった。

『…わざわざ、こんなの寄こして。』

まるでハナから死にに行ったようなものじゃないか。

この頃からだろう、周りの人が死ぬことに酷く抵抗感が現れるようになったのは。

全く1行目と変わらない文字で綴られた最後の"愛してる。"の文字に、ロシナンテさんの強い意志を感じた。

『…ローくん。』

2年前、新しい手配書を確認する時、その名前を見た。
トラファルガー・ロー。オペオペの実の能力者。間違いない。

もしも、この広い海で君と会えたなら、俺はその意志を継いで君の助けになろう。

ドフラミンゴの事は、許せないけど。
でも、彼が選んだ道なら俺に否定はできない。

本当なら、1発や2発殴る。あるいはその命すら刈り取ってしまいたい。
でも、もしロシナンテさんが生きてたなら…

吐き出した煙を眺めながら気づけば終わっていた戦いに目を向けた。
煙草の煙は慣れない。でも、彼を忘れないようにまたこうして煙を蒸すのだ。