【ONEPIECE】鎧を纏う2【男主】 (ページ33)

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コビーの叫びの後に、ガープは「まぁ分からんでもない。」といつもなら拳を振るっていた発言だが、今日ばかりは見逃されていた。

ヘルメッポ「ハァ！？何馬鹿なこと言ってんだおめぇ！！？」

『えっと…』

コビーを前に何かを言おうとして悩み始めた少年に、コビーは先程のヘルメッポとの会話からして名前かな？と察知し名を名乗る。

『…コビーくん！もしかすると敵は子供の姿をしているかもしれない、僕を真似ているかも！そういう事態も想定して、この訓練もちゃんとしなきゃダメですよ！』

人差し指を立てて指導するAに、コビーは酷く狼狽えた。確かに、言うことは最もだ。
だがしかし、こんなにも可愛らしい少年を誰が殴れるのか。コビーは作った拳をギリっと握りしめていた。

『…そっちから来ないなら、こっちからいきます！』

痺れを切らしたのか、ゆっくりこちらに近づいてくる少年に、コビーは言葉にならない音を発しながら後ずさる。
…も、会えなく地面に叩きつけられダウンする。

コビーはその瞬間、自分から殴りに行くくらいなら、こうしてねじ伏せられた方がマシだ。と強く思った。
かくしてこの戦闘は終了したわけだ。

コビーが立ち上がろうと少し首を上げれば、視界には靴が映る。誰かがしゃがんでいる。
顔を見ようと視線を上にやれば、それはそれはにっこりと天使のように手を差し伸べて笑う少年で。

コビーはぽかんと口を開けた後に、勢いよく起き上がり、膝を着いてAの手を取り、ジィっとその瞳を見つめた。
…少年はその行動に驚きつつも、首を傾げつつ笑う。

『え、と……？』

困ったような顔をする少年、それもまた愛おしいと心の中で思うコビーに、先程まで地面に転がっていたヘルメッポはため息をつく。

ヘルメッポ「なんだってお前はパシヴァールのツラに弱ぇんだよ。」

コビー「何言ってるんですかヘルメッポさん、顔だけじゃないです。」

至極真っ当にそう返答するコビーに、また息をついて「そうかよ」とだけ吐き捨てる。

コビー「だって、こんなにも綺麗な顔立ちをしているんですよ？傷つけるだなんて…僕にはできません。」

そう言ってコビーは少年の頬を撫でる。少年は不服と言った顔持ちだった。

『…僕が子供だからって、舐めてもらっちゃ困ります。本気で来てもらわないと。』

コビー「う、す、すみません…」

そう謝罪すれば少年はぷくっと頬を膨らませてぷりぷりと怒るもので、コビーは上がりそうになる口角を必死に抑えた。