〇 ページ31
クザン「サカズキだけかっこいいって何。俺は？」
そんな大人気ない発言にも少年はニカッと笑って、「クザンおにいさんも、かっこいいよ！」というので、クザンは思わずガッツポーズを繰り出す。
クザン「Aちゃんこの頃はサカズキとあんまりいなかったもんな〜」
とクザンが零せば、少年は少し慌てたように音を発する。
『あ、や…！サカズキさんは、ずっとかっこいいです！ぼ、ぼく、サカズキさん、あこがれで…！』
そう必死にサカズキの顔を覗き込む少年を、正直赤犬は抱きしめたかった。だが、寸でのところで残っていた理性で耐えた。
クザンは少年がサカズキだけでは無いという煽りを狙って発言したのだが、予想と反してどんどんサカズキを褒め出すので、つまらなさそうな表情をする。
『えと、ぼく、センゴクさんも、ガープ先生も、おつるさんも、ボルサリーノおじさん、サカズキおじさん、クザンおにいさんも！みんな尊敬してて、あこがれで…みんな大好き！』
お金じゃ買えない、まさにプライスレスの笑みを浮かべた少年に、その場にいる全員の反応はそれぞれ。
笑顔で居るものも居れば、完全にダウンするものも、それからカチコチに固まるものまで。
会議の時間をほとんど少年に費やし、本来の会議終了時刻になって声を上げたのは元帥センゴク。
センゴク「名残惜しいが、Aはガープに任せてこの頃で言う、いつも通りに生活してもらう。」
ガープ「よし、行くぞA。今日はお前の…なんだ、後輩共に稽古をつけてやる日じゃ。」
赤犬の膝から降りて、本来の上司の元へと戻る。
後輩という言葉に目を輝かせて、少年は嬉しそうにくるくると回りながらガープの後を追う。
会議室を出る際は、ちゃんと浮かれつつも挨拶をしてでていく少年に、センゴクやつる、ボルサリーノはにこやかに返していた。
『後輩！ぼくに、後輩が…！』
キラキラと瞳を輝かせる少年に、ガープは少し頬を緩ませる。
そう、この頃のAは若手も若手。後輩なんていなかったのだ。だからこそ、先輩という立場には憧れがあったわけだ。
訓練所に入れば、ガープの姿を見てお馴染みの2人が駆け寄ってくる。
コビー「お疲れ様ですガープ中将！
……そのお子さんは？」
ボガードもこちらに視線だけ寄越し、3人からの視線を一身に受けた少年は、少し不安そうにガープの後ろから様子を伺っていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 109人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みるつき | 作成日時：2022年9月27日 7時
