【ONEPIECE】鎧を纏う2【男主】 (ページ19)

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〇ページ19

エース「夢じゃねぇんだよな…」

『…あの戦争も、君が死んだのも夢じゃない。白ひげの親父が死んだのも…たくさんの海賊と海兵が死んだのも。』

エースは白ひげの手をぎゅっと握って、そうか。とだけ零す。
その肩は震えていて、涙を流しているのだと理解する。

『…すまない、俺の我儘で君を生き返らせたんだ。』

エース「………いや、いい。

俺も、死ぬ直前になって、死ぬのが惜しいと思ったんだ。まだ生きていてぇって。情けねぇ。」

エースはそう言って涙を拭い、こちらへ向かって立ち上がる。

そして、俺を力強く抱きしめた。

エース「…ありがとう。親父の声が聞こえた、俺に生きて欲しいと願うたくさんの声が聞こえた。

俺、もっと生きててぇ。なぁ、A。俺は生きてていいのか？」

今にも泣き出しそうなその声に、ぎゅっと強く抱き返す。

『…ダメだったら生き返らせてない。』

エース「…そうか。」

グズグズと鼻を鳴らすエースに、少しだけ胸が軽くなった。
…生き返らせる選択は、間違いではなかったんだ。正解とは決して言えないが、間違っているとも言えない。

…これで良かったんだ。

暖かいエースの体温を、温もりを確かめるかのように長く抱擁を続ける。

ベックマン「…お熱いのは結構だが、そろそろメシにするが、食うか？」

そう開いているドアから姿を現すベックマンさんに、名残惜しいがエースから離れる。
甲板にエースと共に顔を出せば、みんなぎょっとした顔をする。

シャンクス「本当に元通りだな。」

席に座り、エースは赤髪海賊団の船員達にまじまじと見られ、虫の居所が悪そうにしている。
食事をしながら、エースの問いに答える。

エース「…そんなモンがこの世に。」

『さすがに白ひげの親父は影響が強すぎて、生き返らせるのは無理だ。』

そう伝えれば、エースは分かってるよ。とだけ言う。

シャンクス「これからエースはどうするんだ？さすがに隠れて生活しなきゃならねぇだろう？」

『…エニエスロビーにバスターコールがかかった3日後か。その時にウォーターセブンに立ち寄り船を建造した。先程この船を追うのに使っていた船がそれだ。

きっと俺がブリテンの出だと知れば、海軍本部はタダでは置かないだろう。
だが事前に完全に秘匿して建造した船だ。危険はない。』

文句の付けようのない少し小型潜水艦。
海軍はあまり水中の探索に長けていないので、潜水してしまえば、こっちのものだ。