【ONEPIECE】鎧を纏う2【男主】 (ページ15)

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頂上戦争：終結ページ15

何も出来ずにただぼんやりとする。
…ぼーっとした頭には、ただただ見聞色の覇気による少し後の映像が流れこんでくる。

この悲鳴を聞いて、この惨状を視て、私は何を思う。
…胸が、苦しい。考えのまとまらない頭、救えない命。止められない闘い。

酷い揺れに辺りを見回せば、海が、割れているようだった。

……あぁ、無力なんだ。俺は、本当に無力で、バカで、どこまでも我儘で放漫で…

俺は、一体何ができるんだ。

俺は、一体誰だ、気高き円卓の騎士パーシヴァルか？
それとも、海軍本部中将 A・パシヴァールか？

今、ここで己を見定めよ。
今、ここで、決意をしろ。

『…これは、正義でも、悪でもない。』

士気が下がることがない。きっと目標達成や様々な感情が入り交じり、まともに判断すら出来なくなっているのだ。

ルフィを狙う黄猿大将の元へと走る。

ビームを構える黄猿の前に立ちはだかる。も、聞き覚えのある声に全ての動きが止まる。

コビー「もうやめましょうよ！もうこれ以上戦うの、やめましょうよ！！

…命が勿体ない！！兵士一人一人に、帰りを待つ家族がいるのに！！目的はもう果たしてるのに、戦意のない海賊を追いかけ、辞められる戦いに欲をかいて、今手当すれば助かる兵士を見捨てて！その上にまだ犠牲者を増やすなんて！今から倒れていく兵士たちは…

…まるで、馬鹿じゃないですかァ！！！」

そこまで言い放ったコビーは酷いくらいに泣きじゃくっている。

サカズキ「…数秒無駄にした、正しくもない兵は、海軍にはいらん！！」

大将赤犬の拳が振るわれる前に、コビーを庇おうと急いで駆け込み、自分を地面の方に滑り込ませて、倒れ込む。

「よくやった、若い海兵。お前が命をかけて生みだした勇気ある数秒は、良くか悪くか、たった今世界の運命を大きく変えた。」

聞き覚えのある声に顔をあげる。
黒い羽織をたなびかせ、片手で赤犬の攻撃をとめたあの赤髪は…

『…シャンクスさん。』

赤髪のシャンクスは、ルフィの帽子を拾い上げ、「この戦争を、終わらせに来た。」と言い放った。

呑気に赤髪達は過去を思い出しているようで。
…俺は、コビーの温かさを確かめるようにキツく抱きしめて、冷たい氷の上にまだ抱きしめていた。

コビーは、きっと俺よりも勇気がある。
あんなことを言った自分を殴りたい気分だ。