【ONEPIECE】鎧を纏う2【男主】 (ページ25)

今日:1 hit、昨日:7 hit、合計:25,006 hit

〇ページ25

細い指が頬を撫でる。
…おつるさんは、本当に俺の母親のような人で。俺の考えを読んで欲しい言葉をくれる。

おつる「…ほら、男前さん。分かったらいつもの綺麗な立ち姿に戻んな。」

そう言われて、シャキッと立つように心がけるが、力が入らず、どうもへなっとしてしまう。

ボルサリーノ「…あぁ〜！そうだAくぅん。美味しいお菓子を買っておいたんだった。すぐに持ってこようかぁ。」

『え、あ…』

返事する前に既にお菓子を手に戻ってきていたボルサリーノの伯父貴に拍子抜けしつつも、お菓子を出されたので大人しく座る。

クザン「お、なかなかイけんよAちゃん。」

『え、お、俺も食うッスよ！全部食べないで…！！』

人のを横からつまむクザンの兄貴に慌てて自分も菓子を摘む。
…すると、横からお茶も出てくる。

サカズキ「ほれ、飲まんのか？」

『の、飲みます！いただきます！』

いきなりのいつも通りの至れり尽くせりに少し困惑する。
お菓子に舌鼓を打ちつつ、お茶を啜っていれば、先程とは打って変わってにこやかな表情のガープ先生が煎餅を手にしていた。

ガープ「これも食え！たんと食え！！」

『ふぁ、ふぁへふって言う前から口に突っ込んでんじゃ無いッスか〜！』

大口を開けて笑うガープ先生につられて笑う。

つる「アンタの持ってるおかきも出してやったらどうだい。」

センゴク「はぁ、私にはまだ仕事がある。…Aの顔を見つつ職務に励むとするか…」

そんな会話を横目に、次々にガープ先生が口元に運んでくる煎餅をただひたすらに食べ続ける。
…ガープ先生、なんだか楽しくなってきていないか…？

『ん、全部食っちまうッスよ？』

ガープ「食えばいいさ。」

ガープ先生は満足そうに俺にひたすらに煎餅を食わす。

…もし、ガープ先生がエースが生きていることを知ったら、喜ぶだろうか。
…もし、俺がエースの蘇生を成功させたとここのみんなが知ったら、きっと…

……胸が痛い。
隠し事をして、こうして甘んじて好意を受け入れていることが、辛い。

首輪に触れる。

…これは、俺に着けておいて正解だ。
清廉潔白の騎士なんて、もうどこにもない。

…いや、ここにいるのは、騎士パーシヴァルでなく、ただの1人の人間。A・パシヴァール。

また、ここから歩み始めよう。

…俺の、正義を。