【ONEPIECE】鎧を纏う【男主】 (ページ38)

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コーヒーをお出しして、今日の予定を伝える。

『センゴクさんから、何としても書類仕事を終わらせさせろ。との通達ッスよ！
優先時順位を振り分けるんで、ちゃんとやってくださいよ。俺も手伝うッスから。』

いやぁ、悪いねぇ。なんて言うクザン兄貴の表情は、いかにもそんなこと思ってないような顔で。
念押しして「頑張りましょうね。」と言ってみるも、本人には全く刺さっていない様子。

…とりあえず手当たり次第に書類を纏めて、こちらで処理できるものは請け負い、クザン兄貴がチェックする書類をどんどん減らしていった。

カリカリとペンが紙の上を滑る音が心地よい。…兄貴の進捗は如何か。そう思い、ちらりと兄貴の方を見遣れば、ペンを回しながら書類の文章を黙々と読み込んでいた。

…普通に、クザン兄貴はモテるタイプで。なんだかその姿も様になる。俺がもし年頃の女子であれば、キャーキャー言っていただろう。

見すぎたのか、兄貴がこちらに気づき、少しふっと笑う。

クザン「…俺に見惚れちゃったぁ？かわいーね、Aちゃん。」

『…クザンの兄貴が珍しく机に向かってるから、感心してただけッスよ。さ、その調子でバリバリ働いてください？』

まぁたしかに見惚れていたのだろうけれど、本人にそう言われると少し癪なので、そう誤魔化す。

時折コーヒーなんかを出しつつ、進捗を確認すれば、書類は着々と減っていたので少し心が軽くなる。
…全く書類の提出がなかったら、センゴクさんきっと怒るからなぁ。

クザンの兄貴よりも多かった書類の山を終わらせて、背中を伸ばす。
同じタイミングで、兄貴も欠伸をして背もたれに体重をかけていたことから、仕事が終わったのだと理解した。

『…お昼にちょうどいい時間ッスね。』

クザン「そうだねぇ〜…お昼からの予定はないでしょ？デート行こうよ、デート。」

『デートではないッスけど…飯は行くッスよ！奢ってくださいね！』

クザンの兄貴は現金だなぁなんて言って頭をかいていた。

クザン「あの席の悩殺系ファッション女子、Aちゃんのことめっちゃ見てるよ。声掛けてみたら？」

『クザンの兄貴が見てるから見てるんじゃないッスか？』

クザンの兄貴と街に出るといつも女の人に囲まれる…他の人とならあんまりこういうことはないんだけれどな…

そんなことを思いつつ、クザンの兄貴に手渡されたコーヒーに口をつけて久しぶりの街を回った。