【ONEPIECE】鎧を纏う【男主】 (ページ32)

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いかにもサカズキさんは"そういうところが"と言いたそうだったが、それもため息に溶けてなくなったようだ。

『……カステラッスねー！美味そうッス、！』

ボルサリーノ「カットしてあるタイプだからねェ、もう食べても構わないよォ。」

早速木箱から取り出そうとする。

サカズキ「…行儀が悪い、ちゃんと座って食え。」

サカズキさんが、脚の間に座れと誘導してくれたので、遠慮なく座る。
綺麗な色のカステラを1口口に含めば、それはもう美味しくて美味しくて。
ふわふわもふわふわ。雲のようにとろける美味さでほっぺたが落ちる。

『んんんま！ボルサリーノ伯父貴、めっちゃウマいッスこれ！どこのです？』

箱の表記を見たり、紙袋の名前を見たりする。
これ、誰に持っていっても喜ばれるな。
実は大抵お土産にもっていくものは、ボルサリーノ伯父貴が以前買ってきてくれて、気に入ったものばかりなのである。

ボルサリーノ「どれ、わっしにも食べさせてくれよォ。」

『はい！どうぞッス！』

1切れボルサリーノ伯父貴に渡せばニコニコとしながらお礼を言われ、美味しい美味しいと食べていた。

クザン「あー」

『ん、あーんッスよ兄貴。』

口を開けて待っているクザンの兄貴の口の中に1切れ突っ込む。
……明らかに1口にしては少し多すぎる1切れだが、収まったのでセーフだろう。兄貴はいかにもマジか。という顔をしていたけれど。

『サカズキ伯父貴もどうぞッス！』

サカズキ伯父貴にも手渡せば、少し驚いた顔をしたけれど、受け取ってくれた。どこか優しい顔をしているサカズキ伯父貴にほっとする。

ボルサリーノ「お茶もあるからねぇ」

いつの間にか用意されていたお茶にも手をつける。
…本当に、至福の時間である。これに尽きる。

サカズキ伯父貴に少し寄りかかって、下から顔をのぞき込む。
いつもの厳格な表情とは違い、心做しかなごんだ表情をするサカズキ伯父貴に笑みがこぼれる。

サカズキ「…何を人の顔みて笑っちょる。」

『んはは、サカズキの伯父貴も楽しそうだなって。』

サカズキ伯父貴は少し目を閉じて、お茶を啜った後に一拍おいて、頭を乱暴に撫でた。
その手は、今も変わらず暖かいままだった。

憧れの大きな背中。

早く、俺もそこにたどり着きたい。

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