【ONEPIECE】鎧を纏う【男主】 (ページ24)

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末っ子ページ24

「パシヴァール中将！火拳です！火拳のエースが単体でこちらに向かってきています！」

『…エースが？どういう風の吹き回しなんスかね…しばらく船を開けることになりそうッス。君たちは何も手出しをしなくてもいいッスよ。』

部下である海兵が敬礼をして下がっていった。
俺は急いでエースの姿を確認しに行くと、あちらもこっちを見ていたようで、にぃっといたずらっ子っぽく笑ってこちらまで移動してきた。

『随分大胆ッスね…何か俺に用事でもあったんスか？』

そうエースに聞けば、エースは首を振った。
そして、そのまま無言で俺の腕を掴んで、やっと口を開いた。

エース「小舟を1隻下ろしてくれないか。合わせたい人がいる。」

合わせたい人。と言われれば十中八九あの人だろう。そう思いつつも1隻小舟を下ろして、エースが乗るストライカーに牽引してもらう。エースの足元で燃え盛る炎に、少し恐怖を感じる。

エース「…？体調でも悪ぃのか？」

『…いいや。ただその……申し訳ないッスけど、俺は火が苦手なんス。ちょっとだけ、怖いなって思っちゃったんス。』

そう説明しつつ、エースの顔色を伺う。
エースの表情は何一つ変わってはいないように見える。

エース「…ま、そんな顔に大火傷の痕があんだし、火にいい記憶があるわけないよな。
でも大丈夫だ。俺のこの火はちゃんとコントロールできるからよ！」

安心しな。という顔をするエースに少しほっとした。
…エースは良い奴だな。と再確認する。あまり一緒にいた時間は長くはなかったけれど、こうしてわざわざ会いに来てくれたり…

『それなら安心ッスね。わざわざ気遣ってくれてありがとうッス。』

エースはニカッと笑い、親指を立てた。
そして、再び前方に目をやり、そろそろだぜ。とだけ呟く。

…後方にいる俺からも見えた。ほかの海賊船よりか少しばかり大きな、海軍の軍艦にも勝るとも劣らない。モビー・ディック号である。

見えてからは早いもので、もう船に追いつき、エースはクルーに頼んでハシゴを下ろしてもらっていた。

エース「安心してくれ！俺のダチだよ！親父に紹介したいんだ。」

ハシゴから上がれば、エースは手を引いてズカズカと船内に入っていった。…心の準備というものがあるのだが…

ガチャり。大きな扉を開けば、そこにいるのは当然。
…世界最強の海賊。エドワード・ニューゲートである。