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そんな中、パッと目の前に出てくる白い薔薇。

福島「今日はこの花を、君に。今日で俺はここに来て1週間になった。1週間前、君に差し出した花を覚えているかい?」

『あぁ、君が顕現時から何故か持っていた薔薇だろう?』

あのバラは綺麗だったので、部屋の花瓶に入れてある。

福島「…その次の日は何を渡したか、覚えてる?」

『ゼラニウムだったか。鉢植えごと渡されて少しびっくりしたが、ちゃんと水をあげているぞ。』

「それは良かった。じゃあその次は?」と次々聞かれるので、ただただ答えていった。
3日目はベゴニアの花束を。4日目はガーベラ。5日目は色とりどりのパンジー。6日目はアイビー。

随分僕の部屋は花だらけにされたものだ。

福島「全部、君のために手折ってきた花達だ。」

福島は僕の部屋に飾られた花達を眺めながらそう言う。

『わざわざありがとう。部屋に色があると少し気分も違うものだ。』

福島「…あぁ、そうだね。君は花が似合う。」

『…僕がか、?僕は返り血が似合う男だぞ。』

福島は僕の髪を撫でる。
赤い瞳は僕を愛おしそうに見つめていて、本当に僕のことを弟のように可愛がってくれているんだろうな。と感じる程だ。

福島「俺が君に花を送る理由、知ってるかい?」

『知らないな。』

そういえば、そんなことは聞いたことがなかったから知らなかったな。そう思って、なんでだ?と聞く。

福島「この花達はね、俺の気持ちだよ。」

『…贈り物はそもそも大抵その者の気持ちだろう?』

福島「まぁ、そうなんだけどね?」

福島は「やっぱりAちゃんには伝わんないか。」といいながら、赤い薔薇の入った花瓶に白い薔薇も一緒に入れていた。

福島「ねぇAちゃん。今は俺の事、どう思ってくれてる?」

『福島の事…そうだな、我が刃。というのは皆共通でそうなのだが…福島は、なんだか自分の兄のように感じているかもしれないな。』

福島は僕の向かいに座って頬杖をついて僕の顔をじっと見ている。

福島「確かに、初めに兄を望んだのは俺だったかもね。」

『明らかに兄ぶってきたのはそっちからだったと思うがな。』

そう返せば福島はふは。と笑い、僕の頬を撫でる。

福島「…今は、兄じゃなくてもいいって思ってるんだけどね。
……さぁ、そろそろ俺は遠征の時間だ。行ってくるよ。」

『あぁ、気をつけて行ってきてくれ。』

福島は手を振りながら襖を閉めていった。








「明日も、君に花を。」

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作者名:みるつき | 作成日時:2021年12月24日 0時

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