【刀剣乱舞】藤、燃ゆる。【男主】 (ページ4)

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肘で刃を挟んで血を拭い取り、鞘へ戻す。

無駄な殺生はしないと肝に銘じていたが…子供に手を上げるだなんて言語両断だからな。

『…なにか怪我はないか？』

そう聞けば呆気に取られてこちらを見ていた3人はハッとして頷いた。
…やはり兄弟なのだな。

『暫し待っていてくれ。蔵に居るという君たちの仲間を連れてこよう。』

そういって広間を後にし、蔵へと向かい、厳重な錠のしてある扉を叩き切った。

…これか、山姥切国広は。
乱雑に立てかけてあった山姥切国広を手に取り、広間へと戻る。

『…この符は簡易的なものだな、今出してやろう。』

壁に刺さっていた短刀を抜き、符にバツ印の傷をつけてから丁寧に剥がす。

するとどうだろう。どこからともなく光が差し、布をまとった人間が出てきた。

山姥切「…！誰だ、お前。」

『…あぁ、自己紹介がまだだったか。僕の名は帯刀 A。昼間にそこの桃色の髪の少年を見つけて不審に思い、後をつけたところ、君たちが困っているのをみつけた。そこで、世話を焼かせてもらった。』

言い終えれば山姥切から次々に名を名乗りあげた。小さいふたりは五虎退と秋田藤四郎と言うらしい。

山姥切「…死んだのか、こいつは。」

『あぁ、僕が殺してしまった。なにかまずかったか？』

山姥切「……いや。」

山姥切は布で顔が隠れており、表情が読み取れない。
そこでちらりと3人の方に目をやれば、五虎退と秋田が震えているのに気がついた。

ゆっくりと秋田と五虎退の目の前まで移動し、正面に正座した。
…さすがに怖かっただろうな。
ゆっくりと、2人の頭を撫でる。2人は、緊張の糸が切れたようで、わんわんと泣き始めてしまった。

その様子を見ていた薬研は僕の隣について、

薬研「…助かった。本当にありがとう。」

と少し柔らかい笑みを浮かべた。

『…構わない。

……ところで、主もいない君たちは、これからどうするんだ？』

そう問いかければ、薬研と山姥切は顔を見合わせて少し困ったように眉をひそめた。

『…ウチに来るか。遠慮はいらない、部屋は余っているのでな。』

山姥切「…では、お言葉に甘えよう。」

そうして、その日は僕の住む神社まで案内し、その日のうちに僕は審神者の申請をし、それからこの4人とともに歩んでいく事になったのだ。

秋田「主君！こんなところで何をされていたのですか？」

五虎退「主様…い、いち兄がお呼びです…！」

『…！
ありがとう2人とも、今行くよ。』