【刀剣乱舞】藤、燃ゆる。【男主】 (ページ22)

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一期は少しかしこまった様子でこちらの様子を伺う。

一期「あの…申し訳ないのですが………その、尻尾を…」

『…？しっぽ？』

一期「…はい、しっぽを触らせて頂きたく…。」

…成程、しっぽを触らせろということか。
案外弟達の方が関心を寄せて触らせろと強請ってくるかと思ったが、案外兄の方が関心を寄せたか。

『…あぁ、構わない。僕はどうしていればいい。』

一期「ありがとうございます、A殿はそのままで。楽にしていてください。」

言われた通りそのまま報告書作成を続ける。

一期一振はというと…手袋を外し、僕のしっぽを腫れ物を触るかのように扱い、顔を酷く緩くして破顔していた。

一期「あ、あの！A殿、顔を埋めても…？」

『っえ…あ、あぁ…構わないが…』

そう返せば即刻、失礼致しまする。と言って一期は身を畳につきそうな程屈めて僕のしっぽに顔を埋めていた。

一期「……耳も、よろしいでしょうか…」

『……好きにしてくれ…』

では。と嬉しげな声が聞こえ、耳を触られる。
グリグリとマッサージのようなものをされ、毛の方向と同じ方向に指を滑らされる。

…首元に手が回ってきたかと思えば、後頭部に重さが加わり、一期一振の顔が後頭部に埋められているのが想定できた。
ｽｰｰｰｰｰｯという呼吸音が謎の緊張を誘う。

すりすりと頬擦りをされた頃にはもう体はガチガチに固まっていた…
まな板の上の鯉、？と言ったところか…

『い、一期一振…そろそろ…』

一期「…申し訳ございません。」

一期一振はそう言ってパッと立ち上がり、失礼しました。と部屋を後にした。

……一期一振は、犬が好きなんだろうか…。

その後は食事をして、風呂に入って短刀たちに毛並みの手入れをされた。

そして夜風に当たろうと縁側を歩いていると、珍しい者に絡まれた。

「あぁ！そこのお前！！本名、なんといったかにゃ…あぁ！A！！」

『ん…南泉か。珍しいな君が僕を呼び止めるとは。』

南泉がぜぇ、はぁ。と息を切らしながらこちらへ急ぎ足で向かってくる。

南泉「お前も来るんだにゃ！！」

『っえ…！ま、待てどこに…』

連れ去られた先は一文字の部屋で

南泉「アンタからお頭に言ってやってくれないかにゃ、少し飲みすぎだって。」

『…そのうち日光が止めるんじゃないか？』

南泉「日光の兄貴は止めにゃいよ。兄貴はお頭の気が済むまで酌をするだけ…にゃ。」

日光は割かし甘いタイプだったか。
南泉に急かされるまま襖に手をかけた。