歯 ※微 ページ14
「おはよう主。」
そう声がかかり、振り返る。
『…髭切か、おはよう。膝丸も。』
髭切の後ろを慌ただしく追ってきた膝丸にもおはようと告げ、立ち去ろうとする。
…も、肩に置かれた手に阻止される。
『なんだ、髭切。まだ何かあるか?』
髭切「…口を開けてくれないかな。」
口?と思いつつ、あ。と口を開けて見せれば、髭切は僕の顎をとっ捕まえてまじまじと口の中を見てくる。
…?これになんの意味が?
『…ひぇひり?』
髭切「…あまりよく見えないねぇ。失礼?」
『…?ぐぁ!?』
膝丸の慌てた制止の声が聞こえる。
それもそのはず、僕は髭切に口の中に指を突っ込まれているのだ。
皮の手袋の味がする…苦い。
髭切は熱心に僕の歯列を指でなぞり、舌を撫でる。
…皮の手袋に歯が引っかかる感覚がなんだが嫌だ。
『ん、……』
ぬちょぬちょと音を立てて口の中を指でぐちゃぐちゃに混ぜる髭切の様子をじっと見ている。
……一体、これは何をされているのか。
髭切「よぉし、ありがとう主。」
引き抜かれていく手袋は、ぬらぬらと黒く照っていて、僕の口内と細い糸を紡いでいる。
それを切るように、手の甲で口の端から溢れた涎を拭う。
『……苦い。髭切は一体何をしたかったんだ。』
髭切「んー?あぁ、鬼になってないかの確認さ。鬼になっていたら歯が尖っているだろうから、確認しようと思ったのだけれど、見るだけじゃよく分からなくてね。」
膝丸「はっ、が…!?あ、にじゃ!あるじ……!!!」
膝丸は何やら顔を真っ赤に染めて口をパクパクとさせながら何かを伝えようとしているが、全く伝わらない。
『せめて手袋を外してくれると助かるんだが。苦味がしばらく残る。』
膝丸「主!!!そうではないだろう!!!」
膝丸に両肩をがっしりと掴まれ、前後に揺さぶられる。
な、なんだ…?
加州「なになに?廊下で随分騒がしいね。」
膝丸「聞いてくれ加州清光!!兄者と主がだな…」
背後から現れた加州と膝丸は何やらコソコソと話をし始める。
加州「…っえぇ!?2人とも無知というかなんというか…」
髭切「割と長く生きているけど、知らないことは沢山あるかもね。」
加州はそんな髭切に苦笑いを零し、そろそろ遠征に行く時間じゃない?と2人を玄関へ向かうように促す。
…僕はそのまま加州に部屋に連れ込まれ、何やらお叱りを受けた。
何が悪いのか最後まで理解できなかったが。
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作者名:みるつき | 作成日時:2021年12月24日 0時