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豆大福を手に取って食べ進めていると、一期が隣に座った。

一期「A殿、お茶を持ってきましたぞ。」

『わざわざすまないな一期。』

いえいえ。と一期は笑いながら、机に肘をつき、頬杖をついてこちらをじっと見つめている。

『…なにか顔に着いているか、そんなにまじまじ見られると食べずらいぞ。』

一期「あぁ、すみません。
…A殿はいちご、好きなのですか?」

突拍子も無いそんな質問に普通に返す。

『いちご、好きだぞ。それがどうかしたか?』

一期「いえ…いえ!A殿は好きなものを最後に食べる性分なのかと思いまして。」

なるほどな。一期は人のことをよく見ているな。と感心しつつ、豆大福を平らげ、お茶を口にする。

一期「…私も好きですよ。」

そうか。と思いつつ、いちご大福に1口かぶりつき、半分綺麗に食べれたことを確認して一期の口元に持っていく。

『僕の食べかけですまないが良かったら食べるか?』

一期は少し驚いた顔をしてからふにゃりと笑い、いただきます。と言ってぱくりとそれを食べた。
食べる時、ほんのり一期の唇が指にあたり、指ごと食われるのではないかと思ったがそうではなかった。

一期「…ではそろそろ弟達の様子を見に行きますかな。あぁついでにそれも持っていきますぞ。」

『あぁ、済まない。』

食後から1歩もここを動いていないな…このままでは体型維持が難しくなる。
それは困るな。そう思い、重い腰を上げて縁側へと出る。

「おや、これは珍しい来客だ。」

『……山鳥毛か。』

山鳥毛「あぁ、小鳥よ。冷えるだろう、こちらに来るといい。」

そう言って僕を胡座の上に座らせようとする。

『ァ、いや流石にそれは…』

山鳥毛「遠慮することはない、小鳥を温めるのも親鳥の役目だからな。」

手を引っ張られ、体制を崩したところを綺麗に腕の中に収められる。
温いか?と聞かれ、まぁ…と答える。
…こんなところ誰かに見られたら恥ずかしい限りだ…

しかし…

山鳥毛「おや、小鳥はお眠かな?」

『ん…少し。部屋へ戻る…』

山鳥毛「いや、私が運ぼう。小鳥は寝ていればいい。」

抵抗も虚しく抱えあげられ、歩く際の振動で眠気が増幅され、意識が段々遠のいてきた。

『山鳥毛は…温かくて、優しい匂いがするな…』






山鳥毛「…寝てしまったか。本当に可愛い小鳥だ。
どうか私だけの小鳥であって欲しい。と思うのは少々我儘か。」



目を覚ましてから何があったか思い出し、顔が熱くなった。
全く、甘すぎる…

お揃いじゃん?→←甘すぎる


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作者名:みるつき | 作成日時:2021年12月24日 0時

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