【刀剣乱舞】藤、燃ゆる。【男主】 (ページ2)

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童ページ2

仕事終わり、空はもう真っ青で日はすっかり登りきった頃、街にようやく辿り着く。
…今回はなかなかの大仕事で、深夜から早朝にかけてまで時間がかかった。

ずっしりとした刀を手に持ち、躊躇なく人を斬り、首を飛ばし、返り血を浴びる。そんなのが自分の仕事。

私情で人を斬るだなんて事は、あまり好まん。まぁ、しようと思えばできることだが、無駄な殺生は行わないのが人間としての正しき道だろう。と肝に銘じている。

行き交う街の中、雑踏の中。今日も何も無く平和に暮らせることに安堵を覚える。
…近年の時間遡行軍の動きというものを自分は知っている。それに関することもやんわりと。

それは何故なのかと言うと__

「ぁ！すみません…」

「ｯﾁ、すいやせん…いくぞ。」

腰くらいまでの背丈の子供が僕にぶつかった。
目立つ桃色の髪。空を切り取ったかのような澄んだ瞳。そこにはほんの少しの恐怖が潜んでいる。

一方、手を引く保護者であろう男は何やら先を急いでるようで、子供の歩くペースなど考えずにズカズカと歩いていく。

……これはこれは。
痛む左目をガーゼ越しに手を当ててゆっくりと来た道を引き返す。

追いかけるのは一般人。そう苦戦はしいられないはずだ。

ズカズカと人混みを割って進む男を人を避けながら追跡する。
尾行や追跡、偵察ももう慣れたものだ。

しばらく後を付ければ、とある立派な門を潜って行ったのが見え、少し考え込む。

…どうやって中に入ろうか。

とりあえず、その課題を解決すべく、門の周りを歩いてみることにした。

門の周りを一周してみると、何やら入り込んでもバレなさそうな裏口があり、ゆっくり開けてみると、近くに池があり、庭になっている様子だ。
…植木の状態からして、半年は放置されているな。

先程の人物が単独でないことも考えて、静かに屋敷と言ってもいい大きさの家に忍び込む。

…台所の方から声が聞こえ、ゆっくりと様子を伺う。

そこに居たのは先程の男で、何やら電話で話をしているようだった。

「あぁ、俺だ…こっち、望みの刀剣男士は揃ってる。あぁそれほど手間はかからんかったさ、何、新人の審神者を殺害してそっから引っ張ってきたもんでな、刀剣男士の方もあまり強くなくてあまり苦戦はしなかった。」

……審神者の元から刀剣を盗んだのか。
なんともまぁ、人間の愚かさが伺える。彼らは付喪神とも言えど神に変わりは無いのだがな。