たまには5 ページ16
最寄り駅から家までの間、クールダウンとして歩く。
僕は一応酒に強い方ではあるので、足取りもしっかりしてるし、意識も何ら平常だ。
ただ、肌が上気して暑い。
顔に空気を送りつつ、雪の積もった道を歩き続ける。
この街は住宅街の枝道を通っても明るい。
防犯面から見ればいいものだ。実際、この街灯が普及する前からでは犯罪率は低下している。
サイモン「ねぇ、A。」
サイモンは街灯の下で立ち止まる。
『なぁに？サイモン。どうしたの？』
サイモン「たまには。さ、君からキス…してくれない？」
そう言って僕の手をするりと取る。
普段見られないであろう上目遣いのサイモンに、心臓が早鐘を打つ。
…あぁ、これ、逃げられない。
『……分かった。いいよ。』
そう答えれば、サイモンは口角を緩めた。
『でも、恥ずかしいから目は開けないでね。』
サイモン「分かった。絶対開けない。」
そう言ってサイモンは目を閉じる。
…少し高い彼にキスをするため、ちょっとだけ背伸びをする。
頬に手を当て、ぐぐぐ。と顔を近づける。緊張で動きが硬いのだ。
そっと唇を重ねる。本当にサイモンは目を閉じているのか確認をして、唇をゆっくりと離す。
『ｯは！』
ギュッと身体を引き寄せられ、再び唇が重なる。
驚きで少し開いた唇を割って、ぬるりと舌が入ってくる。
『ｯん！やめ…！』
こんなところで、誰かに見られたら…！そう思って、胸板を押すけれど、つま先立ちの為、力が入らず、押し返せない。
上手く息が出来ずに、苦しくなってきた頃、やっと唇が離れる。
口が開いたまま、肩で息をする未だ近い僕らの間には銀色の糸が官能的に引かれている。
『な、んでそんなことする…』
サイモン「…君が、可愛いから…」
愛おしげに僕の頬を撫でる姿に、何も言えなくなる。
『…も、さいもんと、キス、しない…』
途切れ途切れ、そういえばサイモンはやらかした。という顔をした。
サイモン「ごめんA。謝るから、もうキスしないだなんて言わないで…！」
サイモンを無視してずんずんと歩き進める。
未だ上気した頬は赤みを帯びて、熱は一向に抜けそうにない。
…全く、誰のせいだか。
…でも、
マンションのエントランスの前で立ち止まる。
『…でも、デートは楽しかった。今度、また誘ってくれるなら…
……許してあげる。』
振り返ってサイモンを見れば、ぽかんとした顔をしていて。
サイモン「あ、あぁ！勿論！」
そう言って勢いよく抱きついてきた。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
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みるつき(プロフ) - 久遠さん» ありがとうございます！これからも頑張ります！！ (2021年9月30日 7時) (
レス) id: 6d3e2c4d61 (このIDを非表示/違反報告)
久遠(プロフ) - ご返答有難うございます！みるつきさんに出会えてよかったです！どのキャラクターも好きなので愛のある文を見ながら幸福に浸ってます笑ぜひこれからも陰ながら応援させて頂きます！ (2021年9月30日 0時) (レス) id: b6c6520ef9 (このIDを非表示/違反報告)
みるつき(プロフ) - 久遠さん» コメントありがとうございます！私もネタを忘れぬうちに書き進めたいと思っておりますので、気長にお待ちください！笑中々、お話が長引いてたり、キャラクターが偏っているので、これからはバランスよく書いていきたいと思っています！ぜひこれからもご愛読ください！ (2021年9月29日 22時) (レス) id: 6d3e2c4d61 (このIDを非表示/違反報告)
久遠(プロフ) - ワクワクしながら更新をお待ちしております笑 お体に無理のない様に余裕のある時で構いませんので更新してくださるととても嬉しいです！自分的には短編でそれぞれのお話を書いて頂きたいです！本当に有難うございます！ (2021年9月29日 21時) (レス) @page18 id: b6c6520ef9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みるつき | 作成日時：2021年9月26日 10時
