幸せが44個 ページ4
A「だから、よほどの状況を作ったのでしょう？
七悪の治療を見越した、殺意のない計画された致命傷。
わざわざ屋敷の電力を止めさせたのは、『そうすることで、屋敷の
かくして、追い詰められた六美は、夜桜の血と太陽の相性に賭けざるをえなくなった。これだけ多くの人たちを、欺いて騙してまでして…。なぜ太陽を…？」
百「何もおかしなことはないだろう？
可愛い六美を守りきれるような強い夫であってほしい。素朴な親心だ。
お前達こそずいぶんあの夫を気にかけているが、よほどのお気に入りなのか？」
A「それもありますけど、凶一郎の婿イビりが心配なだけです」
凶「それはない。あわよくば死んでくれればよかった」
百「そうか。
さて、目的もとげたし、帰るとしよう。ゴリアテにはすまなかった。お大事にな。Aも、突然拐って悪かったな」
お義父さんは、私を地面に降ろした。
A「相変わらずですね、お義父さんは」
凶「ああ。傲慢で独りよがりで、家族の気持ちすら汲み取れない。母さんの死から何も学ばなかったらしい」
凶「あの
凶一郎は『凪嵐』を繰り出したが、お義父さんに止められた。
百「強くなったな、凶一郎。私の同じ歳の頃よりはるかにな。だが、鋼蜘蛛の持ち方·曲げ方·広げ方。全てを教えた私の手には、まだ届かない
さあ大人しく父さんを見送ってくれ」
凶「最初に言っただろう？指輪を返してもらうと。
家を捨てた男に鍵はいらないだろう？」
百「お前達の成長が誇らしいよ」
お義父さんは消え、九代目の桜の指輪だけが残った。
凶一郎はため息をついて、こう言った。
凶「家族は難しいな」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 43人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Yuma | 作成日時：2023年8月24日 11時
