敬語美少女は知っている (ページ46)

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48話　友達ページ46

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「証拠もある。これまでの経緯は、全部コンピュータの中に残ってるんだ。それで俺たちの偉大さを証明できるじゃんよ。」

七鬼君が、あっと声を上げる。

「俺、それ消しちった、全部。」

若武君が目をむいた。

「何でっ？！」

それは、やっぱり、

「もう終わったことだし、俺にとっては思い出したくないものだったからさ。もうさっき、決別メールを送ると同時に、全て削除した。」

上杉君は空みろという顔になった。

「若武先生、諦めるんだな」

美門君も、仕方なそうに皆を見回す。

「事件も起こらず証拠もないんじゃ、どうしようもないね。」

そうですよね。

若武君は、その場にしゃがみ込み、広げた両手をワナワナと震わせた。

「今度こそ、いけると思ったのに、またかっ！またなのかあっ！」

かわいそうに。

今度私と一緒に水族館に言って、ハンマーヘッドシャークを拝みに行きましょう、傷も癒えますよ。

「だから、前から言ってるだろ、」

黒木君がなだめるように口を開いた。

「誰の役に立てたってことだけで満足しろって。今回、KZは秀明を救ったんだ。そのリーダーであることを誇れよ」

若武くんは、プルプルと首を横に振る。

「何日も床に寝て、骸骨と一緒に食事作って、必死になってパソコン打って、それが全部、水の泡か！？俺たちの努力は何の意味があったんだっ！」

小塚君は声を上げる。

「意味はあったよ。だって、そのおかげで、」

私と七鬼くんの方に視線を投げ、ちょっと恥ずかしそうに頬を染めた。

「新しい友達ができたんだもの」

私は目をまん丸にする。

「そうだよ。事件を解決しようと皆で一丸になったから、それで自然に心が通ったんだ」

確かに。

「私達は、もう友達だよ」

その瞬間、若武君の目が生き生きとした光が灯った。

「よし！」

そう言って、立っていた私と七鬼君につかつかと歩み寄る。

「友人のおまえ達に、特別に、KZに入る許可を与えてもいい」

「KZが、ガキの探偵ごっこじゃないってことは、よくわかったよ」

七鬼君は目を伏せる。

「けど、俺、そんな時間ないから」

それを見ながら私は口を開く。

「考えて、おきます。」

そう言った時。