39話 松の実のフィットチーネ ページ37
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心臓はバックバックなるし、そのせいで痺れて、椅子を直す気にはなれずに、呆然と眺める。
「俺の登場、そんなにびっくりすること？」
それは、本当にびっくりすることです。
ノックしてくださいよぉ・・・
「ノックしたけど。」
「聞こえませんでしたっ！」
「無駄に元気がいいじゃん。」
ひどい。
さっきまでは合って緊張してたはずだったのに。
呆れてる小塚君と七鬼君、上杉君に、苦笑いの黒木君を見て、私の言葉に説得力というものが皆無になったことを知る。
こちらに歩み寄り、椅子をきちんと立たせてくれる黒木君に、感謝の言葉を述べてから、椅子に改めて座って溜息をつく。
しっかり気を引き締めるぞ、私っ！！
心の中で喝を入れて、やる気満々で取り掛かります。
それから数時間は、皆集中する。
でも一人、一人と疲れだしていく。
私はギリギリまで疲れてから、休むタイプなので、まだ文字列を追ってるけど、なかなか集中できないです。
眉根を寄せていると、ドアがあき、若武くんと骸骨が入ってくる。
「おい、サイバー戦士達、飯だぜ」
戦士って、凶暴っぽいですよ。
皆が顔をあげたり、だるそうに身を起こしていく。
「パスタだ。ペペロンチーネと、松の実のフィットチーネ。それからエスプレッソ。眠気も疲れも吹き飛ぶぞ」
私、松の実のフィットチーネがいいです。
ペペロンチーノ、苦手なので。
「さぁ、食え。腹がすいては戦ができんだろ」
えー、戦するわけじゃありませんけど。
そう思いながらだらだらとお皿に手を伸ばし、口に入れる。
でもっ！！
「・・・上杉くん、松の実、いりませんか。」
上杉くんが体を起こして軽く睨んでくる。
「きちんと好き嫌いせずに食べろ。背、いつまでたっても伸びねーぞ。」
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作者名：デラ | 作成日時：2021年1月17日 8時
