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30話 日テレ ページ28
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「よかった。今回は僕、全然、役に立たなくて、ごめんね」
小塚君が、肩の荷が下りたといったように大きな息をついた。
皆が、ドンマイといったような笑みを浮かべる。
「大丈夫ですよ。」
にっこり笑って顔を覗き込むと、小塚君は挙動不審になる。
「七鬼、早く実行して、USBメモリにデータ移せよ」
若武君はソワソワしていた。
「今からテレビ局に電話して待機してもらおう。どの局にしようかな。黒木、どう思う？」
なんでテレビ局に電話するんですか？
「本格報道がいいならTBS、エンタメ系なら日テレってとこだね。知り合いに聞いてみようか？」
え？？
なんでそんな知り合いがいるんですか？
目を白黒させてると、立花さんが説明してくれた。
「黒木君は対人関係のエキスパートで、コネがとても多いんだ。」
「ありがとうございます、立花さん。」
そうお礼を言うと、何か言いたそうな雰囲気になる。
「・・・さんづけは、辞めてもらっていいよ。できれば、下の名前で呼んでほしいな。みんなもそう言ってるから。」
そうですか。
「みんなはなんて呼んでるんですか？」
「アーヤ、かな。」
彩、だからアーヤなんですね。
とても可愛い。
「じゃ、私、アーヤちゃんって呼ばさせてもらいます。私は、杏珠でお願いします。」
そう言うと微笑むから、私も微笑み返す。
「杏珠ちゃん、よろしくね。」
「アーヤちゃん、お願いしますっ！」
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作者名：デラ | 作成日時：2021年1月17日 8時
