25話 プログラマー志望 ページ23
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「こんにちは、黒木くん。」
そう言いながら大きな目を伏せる。
どのシーンでもカメラに移せば映画になっちゃいそう。
「美門、翼です。」
ちょっと緊張した面持ちで言う翼。
杏珠ちゃんがじっと見つめてるので気が気じゃないのか、困ったように滑舌が悪い。
なんか、翼、可愛いかも。
そう思ってると、小塚君が、おずおずと、
「僕のことは知ってるよね。」
それに杏珠ちゃんは満面の笑みを浮かべる。
「もちろん！クラスでいつも一緒だもの。」
そう言いながら目を私の方に向ける。
思わずこのクリクリっとした綺麗な瞳に私が映っていいのか疑問に思ってしまう。
「こんにちは、有栖杏珠です。」
なぜか少し照れてる杏珠ちゃんに私も照れながら挨拶する。
「えっと、こんにちは、立花、彩です。」
しどろもどろになりながらも言い切ると、口ごもってしまう理由がわかったような気がした。
なんか、頭が真っ白になってお伽話で出てくるプリンセスを見てるみたいで、滑舌が自動的に悪くなっちゃうんだもの。
「俺、七鬼忍。」
紫の目を興味深そうに光らせながら首をかしげる。
「モデルとか？」
確かに。
「してません。」
え、意外だな。
モデルさんになったら絶対たくさん人気出るのに。
でもゲーム作れるぐらいだから、プログラマー志望だったり？
「で、なんでここに呼ばれたんですか。」
え、上杉君何も事情説明してなかったの？
みんなの目線が上杉君に集まると上杉君は、あっ！と言わんばかりの顔になる。
忘れてたんだ。
ちょっと抜けてるとこ、あるよね。
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作者名：デラ | 作成日時：2021年1月17日 8時
