魔法のことば ページ3
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私とこの子と、そして一未も、
みんなお揃いの柔軟剤と、幼い子供特有の柔らかい匂い混じった香りが鼻をくすぐった。
「ママもごめんね、」
「いたい、?」
「大丈夫、痛くないよ」
「けが、してない?」
「あ、じゃあ、いつもママがしてるみたいに魔法かけてくれる?」
いたいのいたいのとんでいけ
私がいつも彼にするように、
真似る彼のちいさな手が私の顔に触れる。
「うん!もう全然痛くない!ありがとう」
そう言えば、安心したように笑った息子。
そうそう、この顔が見たかったの。
ぽんぽんと、褒めるように息子の頭を撫でる一未に反応して、
嬉しそうに一未の方を振り向く息子。
「もう乱暴するなよ」
「うん!」
...
「ねえ一未」
「久しぶりに呼ばれたな、名前」
「息子相手に恥ずかしい事言ってたね」
「掘り返すな」
「私も久しぶりに言われたなあと思ってさ、」
「…」
「…大好き、とか」
お互い親なると、
なんだか恋人の時よりも恥ずかしくなるのはなんだろうか。
「ふっ」
「ちょ、なんで笑うの!」
「自分で掘り返して照れたのか」
「や、べつに、!」
「A」
確かに名前で呼ばれるの、ちょっと久しぶりかも。
「愛してる」
「聞きたいならいくらでも言ってやる」
「…言葉ちがうじゃん、っ」
「顔真っ赤だな」
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作者名:ねむ | 作成日時:2022年6月16日 2時